TENDRE、バンドと観客が一体となった完璧なライブ 温かい歌とグルーヴが冴え渡ったツアーファイナル

TENDRE、バンドと観客が一体となったライブ

 ゴスペル風のイントロが感動的な「PIECE」、レイドバックした重たいリズムがネオソウルにも通じる「HOPE」、平歌のクールな演奏とキメのコントラストが鮮やかな「DOCUMENT」と続け、ライブ後半戦を少しずつ焦らすように盛り上げていくメンバーたち。そして、手拍子に合わせてアカペラコーラスを披露しながら、「ゲストを呼んでもいいですか?」と河原がフロアに語りかけ、サプライズゲストのSIRUPが姿を現したところで、この日最大の熱狂が会場を包み込んだ。

SIRUP

 ジャズ~ヒップホップテイストのアンサンブルを従え、河原とSIRUPが息の合った掛け合いのボーカル&ラップを聴かせる「ENDLESS feat. SIRUP」。楽曲の後半、感極まった河原が「このまま終わって欲しくない~!」と叫ぶと、それに応えるようにSIRUPが〈終わりはない〉とリフレイン。演奏が終わった瞬間、硬く抱き合う2人の姿が印象的だった。

 「TENDREを始めてから、今年12月で4年が経ちます。僕らについていけば、これからも面白いことがたくさんあると思うので、どうか皆さんついてきてください」と挨拶し、松井によるパーカッションソロからラストスパートへ。ソウルフルなミドルチューン「胸騒ぎ」でチルな空気を醸し出したかと思えば、続く「CHOICE」は幻想的な青い照明の中でしっとりと歌い上げる。「ここまで長丁場、本当にありがとうございます。あと2曲で終わります」と挨拶して「hanashi」へ。そうか、もう90分近く経っているのか……。あまりにも楽しく充実したステージだったため、時間が経つのがあまりにも早くて長さなど全く感じなかった。

 本編は小西のサックスが印象的な「IMAGINE」で締めくくり、鳴り止まぬアンコールに応えて河原が弾き語りを披露。予定では「FLOWER」を歌うはずだったが、この日は会場に河原の母が来ていたため「母に捧げます」と急きょ「GIVE」を歌った。その美しいメロディと心のこもった歌に魂を揺さぶられる中、サポートメンバーが再び登場。七色の照明に彩られながら「RAINBOW」を、そして「TENDREを始めたきっかけになった」というデビュー曲「DRAMA」を演奏し、2時間に及ぶライブが幕を閉じた。

 長いことライブを観ていると、ステージ上のパフォーマンスやオーディエンスの反応、照明そして音響といった全てが相乗効果を生み出す、奇跡的な瞬間を目の当たりにすることがたまにあるのだが、この日のTENDREのライブはまさにそんな瞬間がずっと続く、本当に素晴らしい内容だった。

TENDRE 公式HP

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