SixTONESのバラードが心に響く理由 歌声・メッセージ性・映像表現から紐解く

 バラエティ番組などで目にするSixTONESは、いつもユーモアに溢れ視聴者を楽しませてくれるのだが、音楽となるとその印象をがらりと変える。ポップはもちろんロックにEDMなどの激しいアッパーチューンもあれば、彼らの歌声を響かせた上質なバラードも聴かせてくれる。

 現在YouTubeで公開されているMVで言えば、1stアルバム『1ST』に収録の「Lifetime」もその一つ。大きなステンドグラスをバックに白い衣装に身を包んだ6人が、右上から射し込む柔らかな光に照らされながら歌唱。声や表情から感情が伝わり、その映像美に負けないほどの美しい歌声を響かせている。リスナーを包み込むようなSixTONESの心を感じる壮大なバラードだ。

SixTONES – Lifetime

 また、彼らの歌声をじっくりと堪能するならば、YouTubeで公開中の「僕が僕じゃないみたいだ(Dramatic Rearrange)」も外せない。4thシングル表題曲「僕が僕じゃないみたいだ」をピアノとストリングスでリアレンジしたもので、爽やかさと疾走感ある原曲をゆっくりとしたテンポに落とした“Dramatic Rearrange”の名にふさわしい上質な一曲。ポップソングがここまで印象を変えられるのかと驚かずにはいられない。メンバー一人ひとりの伸びやかで透明感ある歌声が響き、歌声に“酔いしれる”感覚を覚える。

SixTONES – 僕が僕じゃないみたいだ(Dramatic Rearrange) [PLAYLIST - SixTONES YouTube Limited Performance - Day.3]

 グループ全員での楽曲のほかに、ユニット曲にも珠玉のバラード曲がある。1stアルバム『1ST』初回盤Bの音色盤に収録の、京本大我と松村北斗によるユニット曲「ってあなた」。R&B系バラードを基調に弱い男の心情を歌ったもので、二人の声色、ハモリがどこか寂し気に響き、ストーリー仕立てのMVの印象も相まって胸が締め付けられる。

 SixTONESの音楽には、初めて耳にしたときの衝撃と感動、そして何度聴いても胸を揺さぶられるものがある。ラジオなどで告知される前、10月18日にYouTubeでひっそりと公開された「Everlasting」。SNSで即座に話題になっていたが、歌唱の姿はなくとも、耳に飛び込んでくる歌声と歌詞だけでも情景が広がった。彼らが歌うバラード曲は、ストーリーがありありと浮かび、胸が締め付けられたり、はたまた聴く者を優しく包み、希望を与える。

 さて、冒頭でも触れた2ndアルバム『CITY』の説明には、「歌(主人公)の数だけ物語があり、それが交錯する場所を街“CITY”と呼ぶ」とある。さらに今作もノンジャンル、ボーダレスと紹介されていたが、これまでもシングル、カップリング、アルバム1作目からそれを体現して“攻め”てきただけに、新作ではどんな音楽を聴かせてくれるのか。SixTONESを通してまた新たな音楽との出会いがありそうだ。

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