荻原梓のチャート一刀両断!
INI&BE:FIRST、注目ボーイズグループがチャート上位を独占 歌唱スタイルから見る両グループの確固たる個性
その意味で、2位に付けたBE:FIRSTのデビューシングル曲「Gifted.」は、作詞作曲にプロデューサーのSKY-HIが関わっているのもあって、日本語の響きを保った(けれども非常に洗練された)、あくまでJ-POPの延長線上にある作りをしていると言えるだろう。無論、それが曲の良し悪しを決めるわけではない。音を削いで“歌”を強調した序盤から、中盤で変則的なリズム変化がフックとなる〈どこを探したって僕ら以上はもうあり得ないでしょう?〉を経て、この曲の核となるキラーフレーズ〈愛し合いたいよ 君という時代と〉でバシッと決める。ファルセットやソウルフルな歌い回しが美しく、全編を通して彼らのハイレベルなボーカルスキルに耳が奪われる一曲だ。
INIもBE:FIRSTも、どちらもオーディション番組出身のボーイズグループである。今回のチャート結果のように、デビューの時点ですでに高い人気を誇るという点はこうしたオーディション出身グループの特徴で、歌唱スキルもパフォーマンスレベルも抜群に高く、デビュー作にしてすでにそれぞれのカラーが完成している。ある意味で、現在のボーイズグループシーンの活況を象徴する週だったと言えそうだ。しかし、だからこそ同日にデビューした両者が、何に主眼を置いているのかという点で対照的に映ったように思うのだ。