ぜったくん、等身大の姿で魅了したピースフルな夜 さとうもか、kojikojiらも駆けつけた初ワンマンレポ
緊急事態宣言の解除にともない長きにわたった休業要請が終了し、渋谷の街も以前の喧騒を取り戻しつつある文化の日(11月3日)の夜、WWW Xにてぜったくん初のワンマンライブ『Good Feeling』が開催された。
ライブ冒頭は、YouTubeにて公開されているぜったくんのラジオ番組「ゼタラジ」でお馴染みのキャラクター「芋羊羹先輩」による場内アナウンスが。和気藹々としたゆるやかな空気の中、バックバンドとともにステージ上に登場したぜったくんも、まるで近所のコンビニにふらっと訪れたような、どこまでもカジュアルな雰囲気を全身から醸し出している。
「皆さん、調子どうですか?」と挨拶した後、まずは今年4月にリリースされた「Man Say Bien」からライブはスタート。「あの子」とのすれ違いを「慢性鼻炎」のせいにする、ちょっぴりユーモラスで切ない楽曲だが、久保佑太(Dr)、タケウチカズタケ(Key)、KO-ney(MPC)、キミカ(Cho)、そしてぜったくんの朋友でありDTMの師匠でもあるSUKISHA(Ba)というフルバンド編成ならではの強靭なグルーヴが、駆けつけたオーディエンスの身体を自然と揺らしていく。
続いて「きよしこの夜」の一節に導かれ、クリスマスソング「Gaming Party Xmas」へ。跳ねるようなモータウン・ビートにフロアからはハンドクラップが巻き起こる。〈今日はどうやらあの娘も来るらしい〉という歌詞を、〈今日はみんながダブダブ(WWW)に来るらしい〉に替えるなど心憎い演出に、オーディエンスのボルテージもぐんぐん上がっていく。そして曲の後半、タケウチによる荒々しいピアノソロが炸裂すると、早くもこの日最初のピークが訪れた。
「今日はみなさん、僕んちに遊びに来たつもりで楽しんでください。僕がベッドに、みなさんが床にいる感じかな」というMCの通り、まるで部屋でゆるゆると宅飲みをしながらおしゃべりをしているような、そんなリラックスしたムードが終始漂っている。3曲目ですでに息が上がっていることに気づいたのか、「実はこの日に向けて、体力を作ってきたつもりが何故か太っちゃって……。『Gaming Party Xmas』を歌いながら動いているとき、乳房が揺れたんですよね」と自虐トークでフロアを沸かせていた。