ぜったくんの曲をローカルカンピオーネはなぜダンス動画にしたくなる? 2組が初対面、“表現”について語り合う
現在、流行の発信源の一つとして真っ先に挙げられるショートビデオプラットフォーム・TikTok。ユーザーが投稿する動画ではアーティストの公式音源をショートサイズで使用することができるため、BGMや、その音楽に合わせたシチュエーションの動画を作成するなど様々な形で音楽が楽しまれている。昨年あたりからはTikTokで火がつき、配信チャートに登場するといった楽曲ヒットの流れも定着してきたと言えるだろう。
そのTikTokの中でオリジナルのダンス動画を毎日投稿し人気を集めているのがKOH、YUKI、RYOMAからなるダンスクリエイター・ローカルカンピオーネである。今回リアルサウンドでは、彼らの動画の中で度々楽曲が使用されているラッパー&トラックメイカー・ぜったくんとローカルカンピオーネ、2組の初対面となるインタビューを企画した。
キャッチーさや親しみやすさで多くのユーザーの心を掴んでいる彼らの表現に対する思いとは。またfrom LC名義で音楽活動を始めたばかりローカルカンピオーネから、楽曲制作の先輩であるぜったくんに様々な質問が投げかけられた。(編集部)
ぜったくん楽曲をダンス動画で使いたくなる理由
――まず最初に、みなさんの自己紹介をお願いします。
ぜったくん:じゃあ僕からいいですか? ぜったくんって名前でラップとトラックメイク、あと歌を歌ったりとかいろいろやってる者です、よろしくお願いします。
YUKI:僕らはローカルカンピオーネとして、いろんな楽曲を使ったオリジナルダンスをTikTokに上げてます。あともうひとつ、from LCっていう名義で最近アーティスト活動も始めました。現状、2曲リリースしてますね。
ぜったくん:from LCっていうのはアーティストとしての名義だったんですね。なるほど。2曲とも聴きましたよ。
――そもそも活動の場が異なる2組が交わることになったのは、ぜったくんの楽曲に振りをつけた動画をローカルカンピオーネがTikTokに上げたことがきっかけだったわけですよね。
ぜったくん:そうですね。まず「Midnight Call feat.KojiKoji」を使ってくれたんですよ。(昨年10月に)リリースした瞬間くらいに動画がアップされていて。
YUKI:ダンサー友達から、「この曲、ローカルカンピオーネがやってることに合うんじゃない?」って勧められたのが「Midnight Call」だったんです。「楽しい振りがつけられるんじゃない?」、みたいな感じで。そのときにぜったくんのことを初めて知って、それ以降は曲をいろいろ聴かせてもらうようになったんですけど。
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ぜったくん:ありがたいっすね。ローカルさんが僕の曲を使ってくれてることは、Instagramのメンションで知りました。僕はそもそもTikTokとかを使った活動をまったくしていなかったので、ローカルさんの動画を観たときは「あ、こういう文化があるんだな。すごいな」って感じましたね。同時におもしろさもすごく感じたし。
YUKI:ぜったくんの曲はいろんないい要素が含まれてると思ってて。トラックはキャッチーで、使われている音もおもしろい。あとは何よりワードセンスがすごいんですよ。めっちゃ世界観があるじゃないですか。“ぜったくんワールド”みたいな(笑)。
ぜったくん:あははは。そこ、自分ではあんま認識してないんですけど(笑)。
RYOMA:今の若い子とかにすごく刺さると思うんですよ。同時に、俺ら世代が聴いてもかわいいなって思えるワードが多いから、自然と振りをつけたくなるし、それを観た人はマネしたくなっちゃうっていう。
ぜったくん:ありがたすぎる(笑)。そこはほんとに狙っているわけではないんですけどね。キャッチーなものを作るのがすごく好きってだけなので。
――「Midnight Call」のダンス動画の反響はどうだったんですか?
KOH:あれはちょっと振りが難しかったんですよ。
RYOMA:スマホを使った振り付けだったんだよね。
YUKI:そうそう。曲のリリック的にスマホを使うことにしたら、ちょっと難しい振りになっちゃったっていう。
KOH:しかも、振りでスマホを使うから、1台しか持ってない人は撮影できなくなっちゃうんですよ(笑)。僕らの振りを真似して動画を上げようと思ってもできないっていう。
ぜったくん:あー確かにそうですね。
KOH:その後、「Bad Feeling」とか「Gaming Party Xmas」とかも使わせていただいたんですけど、やっぱり一番バズったのは「Man Say Bien」だったかもしれないですね。
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YUKI:パワーインフルエンサーの女の子たちが目をつけてくれたから、けっこう反響は大きかったよね。
ぜったくん:パワーインフルエンサーっていうカテゴリーがあるんですね。
YUKI:そうですね。俺らが作った振りをその子たちが真似してくれると、元の動画がさらにバズるんですよ。
KOH:その子たちがやってくれるかどうかで全然反響が変わってくる。だから、そういうところを意識することも大事というか。
YUKI:なえなのちゃん(人気TikToker)が踊ってくれるかな、みたいな。
ぜったくん:あー、なえなのちゃんは僕も知ってます。そういう意味では僕も曲を作ったときに、「コレ、なえなのちゃんも聴いてくれるかな」って考えることはあるにはある(笑)。
――「Man Say Bien」は曲自体のキャッチーさとキュートな振りが見事にマッチしていたので、バズるべくしてバズった感じはありますよね。
KOH:とにかく曲がいいですから。
ぜったくん:歌詞の〈ネコちゃんかわいいなぁ〉はけっこう狙って作ったところだったりするんですよ。全体的にかわいい音がいっぱい入った曲になったから、じゃあ歌詞でもかわいいワードを使おうと。なので、そこを切り取って動画にしてくれたのはもうさすがだなって思いました。「やってくれた!」っていう感じでしたね(笑)。
KOH:使うならあのパートしかないなって思いました(笑)。ピアノの音とかもめっちゃ猫っぽくてかわいいし。
YUKI:実はあの動画と同じタイミングでもう1本撮ったんですよ。そっちはフックのところを使ったんですけど。
ぜったくん:〈Zuppin’~〉のところで、(鼻をかむしぐさで)こうですか?
KOH:そうです。そんな感じで振りをつけて。そっちはまだ上げてないんですけど。
ぜったくん:へぇ。そっちもめっちゃ楽しみですね。