サイダーガール、ハロウィンの夜に立ったZepp Tokyoのステージ 『ぼくらのサイダーウォーズ5』レポート

サイダーガール『ぼくらのサイダーウォーズ5』レポ

 12月発売予定のニューアルバム『SODA POP FANCLUB 4』と、来年開催予定の全国ツアーについての告知を行ったあと、「未来の話を皆さんにできるのも嬉しいことなんですけど、過去を振り返るのもいいかなと思うので、懐かしい曲を一曲」と話すYurin。その言葉をきっかけに「群青」のフレーズを知が弾き始めると、大きな拍手が湧き起こる。懐かしいメロディに嬉しさがこみ上げたのか、思わず口元を押さえたり、小さく飛び跳ねたりするファンの姿も。高らかに響く歌声と爽やかなメロディ、そして軽快なリズムは、まさにサイダーガールの真骨頂だ。その余韻をたっぷりと残しながらも、「猫にサイダー」で自然と始まった手拍子によって会場は一つに。秋の空気にぴったり合う切ない「NO.2」では、フジムラがステージで転倒してしまうというハプニングも。彼ららしい自然体の表情が垣間見えた瞬間だった。

 そしてライブはいよいよラストスパートへ。彼らの代表曲「エバーグリーン」のイントロが始まると、「待ってました!」と言わんばかりにファンは力強く腕を振り上げる。メンバーもジャンプをしたり客席の近くまで駈け寄ったりと、イキイキとしたステージングを見せ、会場のボルテージが上がっていくのが感じられた。TVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』(テレビ東京ほか)のオープニングテーマ曲でもある「シンデレラ」は、キャッチーでおしゃれなテイストの楽曲。Yurinの扇動でファンが腕を一斉に横に振り、一体感を生み出していた。本編ラストは「メランコリー」。会場中のファンがぐるぐると手を回し、ジャンプを繰り返しながら全力で楽しんだ。アンコールでは、今年4月にリリースされた新曲「ライラック」、そして「くじらの街」を披露し、最後の最後まで観客たちの胸を熱くさせた。

 終演後には、「シンデレラ」MVのフルバージョンを初公開。さらに来年1月から始まる全国ツアー『サイダーガール TOUR2022サイダーのゆくえ-SENTIMENTAL THEATRE-』の会場や日程を告知するサプライズも。約2時間のライブで、活動初期から最新曲までの20曲を披露し、様々な楽しい演出を盛り込んだサイダーガール。彼らの作り上げた特別な一夜は、ファンの胸に忘れられない思い出を刻み込んだに違いない。

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