サイダーガール、ハロウィンの夜に立ったZepp Tokyoのステージ 『ぼくらのサイダーウォーズ5』レポート

サイダーガール『ぼくらのサイダーウォーズ5』レポ

 2021年10月31日、Zepp Tokyoにてサイダーガールの自主企画公演『ぼくらのサイダーウォーズ5』が開催された。2022年1月1日に営業終了するZepp Tokyoでのワンマンライブは彼らにとっては最初で最後。さらにこの日はハロウィンということもあり、まさに特別な一夜となった。

 全席指定で行なわれた本公演のチケットはソールドアウト。あいにくの雨模様の中、多くのファンがZepp Tokyoのステージに立つサイダーガールの姿を目に焼き付けようと集まった。会場に入るとまず目に入ったのは、ステージの上手と下手に設置された高い壁とソファ。大掛かりなセットに何か仕掛けがあるのかと勘ぐっていると、怪しげなSEが流れ、知(Gt)、フジムラ(Ba)、サポートメンバーの吉田雄介(Dr)がハロウィンらしくマスクをかぶって登場。最後にYurin(Vo/Gt)が現れると、「週刊少年ゾンビ」で幕を開けた。タイトルこそハロウィンにぴったりだが、軽やかなテンポと爽やかなメロディはまさにサイダーガールのイメージそのもの。彼らが刻む心地よいリズムに合わせてファンは弾むような手拍子を打ち、会えた嬉しさからかキラキラした瞳でステージを見つめていた。続いてYurinがギターを手にすると「パレット」へ。甘酸っぱい青春の恋を歌ったこの曲では、フジムラが軽快なステップでステージ上で踊り、早くもエンジン全開といった様子。ステージが青いライトで煌めき、客席の壁に炭酸の泡のような丸い光がいくつも映し出されると、「ベッドルームアンドシープ」が始まる。柔らかなギターの音から始まるイントロでファンの心を掴み、澄み渡る歌声とエモーショナルな歌詞で会場中を魅了した。

 ここでYurinが「せっかくこういうイベントの日に(ライブが)できたから、今日は特別な一日にしたいなと。でもアットホームな感じもありつつ、ゆったり自由に楽しんでいってもらえたらと思います」と、この日にかける意気込みを伝えつつも、肩ひじ張らずに楽しんでほしいという旨を、飾らない言葉で語りかける。続く「空にこぼれる」は疾走感溢れる勢いのあるロックサウンド。Yurinとフジムラ、知がそれぞれアイコンタクトを交わしながら楽器を掻き鳴らし、バンドならではのグルーヴ感を生み出していた。これまで青や緑、白など、爽やかなカラーでステージを照らしていたライトが赤に切り替わると、「ID」へ。理想と現実の狭間で悩む気持ちをYurinが優しい声で歌い上げる。続く「月に唄えば」では、大きな満月が彼らの上に浮かぶ演出で、楽曲の切ない世界観を幻想的に表現。さらに思春期の心をグサリと刺すようなナイーブな歌詞の「成長痛」を演奏し、軽快で爽やかなイメージとはまた違う魅力的な表情を見せた。

Yurin
Yurin
フジムラ
フジムラ
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Yurin
Yurin
フジムラ
フジムラ
知
知
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 MCパートでは、Zepp Tokyoのステージに立つ想いをメンバーそれぞれが言葉にした。Yurinは「Zepp Tokyoでライブができるのは最初で最後。できてよかったなという思いで立たせてもらっています」と真摯に語りかけ、知はステージからファンを見回して「Zepp Tokyoで見る客席、めちゃくちゃいいね。エモだね」と満足気な表情。フジムラは「バンドを結成したときはZepp Tokyoに立つなんて考えてもいなかった。みんなのおかげでワンマンができています。ありがとうございます」とファンへの感謝の気持ちを改めて伝えた。

 そしてもう一つの一大イベントであるハロウィンにちなんで、新曲「トロール」を披露。すると突如ステージ下手側のセットが回転し、カボチャやおばけが飾られたハロウィン仕様の小さなステージが現れ、ファンを驚かせる。さらに「待つ」のMVにも登場した2匹のクマが登場し、ライブは完全にハロウィンパーティーモードへ。観客たちを扇動してキュートに踊るクマの姿に、メンバーも満面の笑みを見せる。続く「なまけもの」「化物」では、Yurinの「好きに踊ってください」という言葉の通り、観客たちは自由にリズムに身を委ね、手を上げたり揺れたりとライブ会場ならではの解放感を楽しんでいた。フジムラの華麗なスラップベースから始まる「フューリー」では、楽曲のスピード感に合わせて赤と黄色のサーチライトが客席を飛び交い、ステージと客席の熱が段々と上がり始める。「待つ」が始まると、今度はステージ上手側のセットが回転し、MVをモチーフにしたようなDJブース付きの青い部屋が登場。ベッドから出てきたクマが再び踊りだし、近づいてきたYurinをハグするという微笑ましい場面も見られた。



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