=LOVEと≠ME、合同ライブだからこそ見えた各グループの個性 『イコノイフェス2021』を振り返る

『イコノイフェス2021』を振り返る

 ダンスパートを挟み、≠ME「P.I.C.」を2組で合同でパフォーマンス。ステージ上では炎が飛び出し、客席へ向けてレーザー照明が飛び交う。この演出は大規模な会場だから可能なのだろう。そのまま間髪入れずに≠MEが単独で11月10日リリースとなる2ndシングル「まほろばアスタリスク」を披露。さらにカップリング曲「ワタシアクセント」をサプライズで初パフォーマンスし、永田詩央里が初センターを務めることが発表された。対して=LOVEは「CAMEO」をカラフルな炎が飛び出る壮大な演出の中で披露し、クールなダンスと歌唱が印象的な「手遅れcaution」「祝祭」で先輩グループの貫禄を見せつけた。2組の単独パフォーマンスを続けて観ることで、各グループの魅力をより実感できる。それも合同コンサートの魅力だ。

 ライブも終盤。再び2組で合同パフォーマンスを行い、花道やセンターステージへと目まぐるしく移動したりトロッコで後方まで周ったりとひたすらに盛り上げていく。「いらない ツインテール」ではファンを煽りながら激しく歌い、「探せ ダイヤモンドリリー」「「君と私の歌」」「青春″サブリミナル″」と=LOVEのポップな楽曲を続け、キラキラしたパフォーマンスで明るい空気を作り出す。そして本編ラストの=LOVE「夏祭り恋慕う」では〈真っ暗な空に恋の花〉という歌詞を再現するかのように、空には花火が打ち上がった。野外だからこそできる演出で観客を感動させた。

 アンコールでは本編の勢いをそのままに=LOVE「スタート!」、≠ME「秘密インシデント」を合同でパフォーマンスし盛り上げる。また映像で指原莉乃がプロデュースする=LOVE・≠MEにつづく第3のグループが始動すること、それに伴いメンバー募集オーディションが10月15日から行われることがサプライズ発表された。今後は3組での合同コンサートが開催する未来があるかもしれない。

 齊藤なぎさが「会えない期間が長かったけれど、この景色を見ることができて本当に嬉しいです」と合同コンサートへの想いとファンへの感謝を涙を流しながら語ってから、23人全員で『次に会えた時 何を話そうかな』を丁寧に想いを込めながら歌った。涙を潤ませながら歌うメンバーも多く、ステージに立てたことやファンの姿に心の底から感動しているようだった。

 ラストは≠ME「自分賛歌」。〈今日の 君だって 頑張っていた〉というサビの歌詞が印象的で、希望と救いを与えてくれる楽曲だ。ファンへのメッセージがビジョンに映し出され、ステージには紙吹雪が舞う。過去最大規模の合同コンサートを、美しく感動的に締める最高の楽曲と演出だ。山本杏奈が最後に「23人よく頑張りました! みんな自分に拍手してください! 今日は間違いなく、伝説のライブになったと思います!」と挨拶し、ライブは大団円となった。彼女の言葉通りに全員が素晴らしいパフォーマンスをしており、ファンも彼女たちに盛大な拍手をしていた。『イコノイフェス 2021』は土砂降りの雨すらも味方につけた伝説のライブとして、今後も語り継がれるはずだ。

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