King Gnu、気品と熱狂が入り乱れる圧倒的なオリジナリティ 「BOY」は新たな王道を切り拓く1曲に

King Gnu、気品と熱狂が入り乱れる真骨頂

 King Gnuが面白い。いや、彼らはデビューのタイミングからずっと刺激的じゃないかと言われれば何も異論はないのだが、ここに来てさらに面白くなったと感じる。新曲「BOY」を聴いての印象だ。

 メジャーデビュー以降のKing Gnuは、磨き上げた技術力込みのオリジナリティを維持しつつ、どこまで刺激的にマスを攻めていけるか、という挑戦を続けてきた。この挑戦とは、平たくいえば、己を曲げずにちゃんと大衆に受け入れられるかどうか。地下ライブハウスでチャンスを狙うすべてのロックバンドが大なり小なり考えていることだろう。

 ただ、多くのロックバンドの曲げたくないものが「ピュアネス」「音楽愛」「本当の気持ち」など、主に精神論に収斂していくのに対し、King Gnuのそれは、アバンギャルドとクラシックが共存する楽曲構造、つまり音楽の新しさそのものにある。「本当の気持ち」でいえば、作曲者の常田大希が今何を考えているのか、歌から直接的に伝わることはあまりないように思う。誰にでも当てはまる人生の歌は多いけれど、“俺の生き様”、“俺の心境”がメインではない。古典にかしずき、そっとキスをするような貴族的優雅さと、今まさに新しい革命が起きていると思わせる、暴動寸前の空気にも近い熱狂。極端にいえばマリー・アントワネットとジャンヌ・ダルクが両方いる音楽である。

King Gnu – 白日

 その彼らがメジャー進出以降は本気で和の旋律に取り組んだ。J-POP、老若男女に響く歌謡曲への挑戦。メロディはより情熱的に、歌詞はより大衆的になり、常田のダーティな歌声と井口理の中性的なファルセットがはっきり二面性を打ち出すことで彼らの曲は爆発的に広がっていく。「白日」のヒット、それ以降、millennium paradeも含めた常田楽曲の勢いについては、ここで説明するまでもないだろう。

 さて、新曲「BOY」である。これはTVアニメ『王様ランキング』(フジテレビ系)オープニングテーマとしての書き下ろしで、公式HPを見れば「こんな素敵な漫画があったのかとびっくりしました」「未だかつて無いほどに優しく愛らしい素敵な楽曲に仕上げました」と常田のコメントが確認できる。作品を知り、大いに共振し、その世界に寄り添って書き上げた一曲。コラボとしても百点だが、しかしまた、この曲はKing Gnuらしさにおいても面白いくらい満点なのである。

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