ちゃんみな、日本武道館で見せた一つの到達点 『THE PRINCESS PROJECT』シリーズ完結の先に見据えた未来

ちゃんみな、日本武道館公演レポ

 そして黒のドレスに着替え歌う「She's Gone」や、火柱の中で歌う「You Made Me」「ダリア」、ちゃんみなもギターを携えてポップに歌う「ハレンチ」、エアリアルダンスとのコラボで魅せる「太陽」と、ライブはテンポよく、そして多層的に進んでいく。

 猫耳の被り物姿で登場したちゃんみなに客席から大きな拍手が上がる、可愛らしい「ホワイトキック」から一転、ハードに歌い上げる「Doctor」、ベッドでの演出も印象的な「Never」、ピンクのセットアップに着替え、往年のディスコ映画をオマージュしたステップでポップに染め上げられた「君からの贈り物」、「みんないっぱい踊ってって」という言葉も投げかけられた「Angel」と、ライブは後半に入って、さらにそのカラフルさと熱量を増していく。

 「Never Grow Up」に続くMCでは、「『未成年~To be QueeN~』から始まって、今まで全部で6回の『THE PRINCESS PROJECT』をやってきて、今回がそのファイナルです。でも、私はどこにも行かないし、いつまでもそばにいます。始まりであって、終わりじゃないんです」というリスナーの不安を払拭するようなメッセージを贈り、ファンからは大きな拍手があがる。そして「ようこそ東京へ」という言葉から「東京女子」、リアレンジである「Never Grow Up (Acoustic Version)」を除けばアルバム「ハレンチ」の終曲となる「花火」は、ステージにひとりきりで歌い、張り出し舞台から客席を愛おしそうに観るちゃんみなの表情からは、リスナーに対する強い愛情を感じた。

 アンコールでは「LADY」「OVER」とデビューアルバム『未成年』からの2曲を披露。ダンサーやバンドメンバーを紹介しながら、「仲間が増えていって、あなたにも出会えて、本当にありがとうございます。こんなに歴史的な瞬間、みんな楽しめた?」という言葉を自ら発しながら、感極まるちゃんみなに、会場から万雷の拍手が沸き起こる。その拍手に応えるように「これが終わりじゃないです。ゴールじゃないです。これからもっとすごい所に連れて行くから、楽しみにしててね」とメッセージし、最後は「SAD SONG」を披露。

 曲を歌い終え「また会う日まで。私は夢を追いかけます。みんなも夢を追いかけて生きていこうね」とリスナーに改めて呼びかけ、そのまま玉座に座り直すちゃんみな。その姿に、世界各国の言語で書かれた「ありがとう」という言葉が重なる演出で幕を閉じた『THE PRINCESS PROJECT - FINAL - 』。その最後の演出がどのような意味を持つのか、これからのちゃんみなの動向に期待したい。

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