STAYC『STEREOTYPE』がヒット MOMOLAND、Brave Girls、GFRIEND……大手とは一味違う中小事務所出身グループ

 また、GFRIENDも過去に中小事務所からスターダムへのし上がった例と言える。今年5月に活動終了が発表された際には、日本にも大きな衝撃が走った。GFRIENDは2015年にデビュー。当時は欧米の音楽シーンを意識したグループが多かった中、キャッチーでJ-POP的な曲調で売り出す異質な存在だった。流行とは真逆とも言える音楽性で差別化を果たしてからは、印象的な振り付けでも目を引くグループへと成長。活動終了直前まで独自の音楽性を追求していく姿勢は変わらず、着実にファンを増やし続けていた。また、メインボーカルであったYuju(ユジュの)声質は耳に残りやすく、グループのメンバーの人数も定番の6人であったという点で、前述のSTAYCとの共通点が意外と多い。

 一方ボーイズグループでは、SEVENTEENやBTSが中小事務所出身と言えるだろう。今では各事務所が統合してHYBEとなったが、それまでの道のりは各グループの特徴なしでは語れない。BTSはメンバー全員の実力とパフォーマンスの美しさ、SEVENTEENは群舞やセルフプロデュースといった面を数年に渡ってアピールし続けていた。この2組の魅力は、現在のK-POPシーンを思えば、後のボーイズグループのコンセプトやパフォーマンススタイルにも影響を与えていったのではないかと思う。

 中小事務所に所属するグループならではのシンデレラストーリーは、人々の関心を大いに集める。その過程ではコンセプト決めやプロモーションなどで、思い切った戦略に出ていることが多い。そのあえて流行と異なる道を行くことで生まれる個性が評価された時、K-POPシーンの新たな潮流を生んだアイドルとして一層のスター性を獲得していくのではないだろうか。

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