古川毅、SUPER★DRAGONの活動指針となったアーティストを語りまくる 圧倒的なミクスチャー感覚を持った4組

■高岩遼

 最後は高岩遼さんです。本格派のジャズやファンクといった生音とヒップホップが融合したSANABAGUN.のボーカルであり、ロックンロールバンド、THE THROTTLEのフロントマン、ソロのシンガーとしても活動されています。ご本人はどう思われるかわかりませんが、今回のテーマを決めたときに真っ先に浮かんだ、存在自体がミクスチャーな方です。

 もともとはヒップホップ、ジャズやロックなどいろんな音楽を聴いていて、大学でジャズボーカルを専攻。そこからSANABAGUN.、THE THROTTLEへと広がっていったみたいなんですけど、どの活動も止まってないんですよね。調べてみると、THE THROTTLEとしての路上ライブの数は2013年~2016年の間に2500本以上。1日1本じゃ計算が合わない(笑)。その間にSANABAGUN.は路上ライブ~メジャーデビューしていますし、ソロ活動もされている。ジャズが基礎にあれば、そのロジックでロックンロールもヒップホップもある程度やれる部分はあるにせよ、ふつうやらないし、やったところで(ここまで成功するのは)無理ですよね。多くのアーティストが一目置いているのも納得できるし、半端じゃないことをやり続けてこなければ絶対に出ないであろう貫禄がすごい。彼こそが日本を代表するスター。おこがましいし失礼を承知で言いますけど、彼がまだそこまで知られていない日本って何なんだって、本気で思います。

 僕が高岩遼さん関連の作品でもっとも好きなのは、2018年のソロアルバム『10』。その世界観に引き込まれて止まらなくなりました。僕がこの連載でもほかでもいろんなところで好きだと言っている藤井風さんを語るに外せないYaffleさんと作った作品で、オーセンティックなジャズやブルースのカッコよさが、絶妙にモダンなサウンドに乗って伝わってくるんです。バランス感覚としての正解のひとつがここにあると思います。

高岩 遼 - Someday Looking Back Today (Space Neon)

 というわけで、今回は僕が影響を受けたミクスチャーバンド/アーティスト4組について、カタリタガリしましたが、いかがだったでしょうか?

 僕だけでなく、SUPER★DRAGONのメンバーそれぞれがコロナ禍の間に、もっと自分たちが表現したいことや表現すべきことと向き合う必要性を感じていたようで、今は互いに言いたいことを言い合いながら切磋琢磨できているすごくいい時期だと思います。その結晶が6周年のタイミングでリリースした新曲「X」であり、12月までのツアー。そしてこの「古川毅のカタリタガリ」も、僕が進んで自分自身の背景を言葉にすることが大切なんじゃないかと思って、やらせてもらっています。なので、ここを読んでくださった方が少しでも何かを感じ取ってくれたり、新しい音楽に出会ったりしてくれていたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします。

合わせて読みたい

『毅の“カタリタガリ”』第1回 シーンを動かした4人のボーカリスト
『毅の“カタリタガリ”』第2回 影響を受けた“歌詞”
『毅の“カタリタガリ”』第3回 “ファッションと音楽”
『毅の“カタリタガリ”』第4回 表現のインプットとなった3組
『毅の“カタリタガリ”』第5回 新たなスタンダードを築くアーティスト4組
『毅の“カタリタガリ”』第6回 憧れる3人の“超役者”

古川毅 Twitter:https://twitter.com/tsuyoshi__0227
古川毅 Instagram:https://www.instagram.com/tsuyoshifurukawa_227/
SUPER★DRAGON オフィシャルサイト:https://super-dragon.jp/

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