古川毅、SUPER★DRAGONの活動指針となったアーティストを語りまくる 圧倒的なミクスチャー感覚を持った4組

スパドラ古川毅『カタリタガリ』第7回

■UVERworld

 僕がこの世界に入る前から好きで今も追いかけているバンド。めちゃくちゃ簡単に言えば、エレクトロやEDMなどさまざまな要素を取り入れたロックバンド、ということになるのかもしれませんが、ずっと音楽性をアップデートし続けているところがすごいんです。

 それは単に、キャリアが長いからいろんなことができるようになってきたという感じではないところが重要なポイントです。UVERworldは、おそらくバンドとしての初期衝動をずっと大切にしているからこそ、自分たちのなかで変わらない何かに対しても、時代や趣味といったその時々で変わっていくことに対しても常に真っすぐで、いい意味でずっと若くて青いというか。他のことに例えるなら、『少年ジャンプ』の漫画を読んでいるような感覚に近いんです。気がつけばもう10何年も連載していて、自分も年を取ったけど、それを読んでいる瞬間だけは少年の頃に戻れるし、時代の変化も反映されていて今を感じることもできるみたいな。そこがすごく“ロック”だし“ミクスチャー”だなって思います。

 姿勢の部分もそう。例えば富士山に登って帰ってきたその足でライブするとか、ライブ後にファンとマラソンするとか、そういう健康的で明るくてわかりやすい企画って、ロックにエッジやファッション性を求める人からすると、カッコ悪いとかセルアウトだとか言われることもある。そういう意見もわかるんですけど、ふつう富士山登ります? 要は自分たちのキャラクターを偽ることなく思いっきり突き抜けたら、表現としての個性になるということ。本質的に型にはまっていない本当の意味でのエッジ。そう考えたうえで「誰が言った」を聴くと、めちゃくちゃ上がるんです。僕は「ステレオタイプを壊したい」ってよく言うんですけど、この曲がその大きなルーツのひとつです。

UVERworld 『誰が言った』

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる