韓国シンガーソングライター The Black Skirts、『TEAM BABY』で日本デビュー 現地ライターが紐解く音楽的魅力

The Black Skirtsの音楽的魅力

 韓国の人気シンガーソングライター、The Black Skirtsがこの度日本デビューを果たす。本国では2017年に発表されたアルバム『TEAM BABY』を新たに日本語で歌い直し、韓国の実力派アーティストの作品を数々手掛けているレーベル<Bside>を通して発表するという。韓国音楽や、アメリカ、イギリスのインディロックのリスナーはもちろん、普遍的で美しいメロディが魅力の彼の音楽は、広く日本の音楽ファンにも親しまれるポテンシャルを秘めている。本稿では、The Black Skirtsのこれまでのキャリアや『TEAM BABY』を中心とした音楽的魅力を紐解く。

 韓国在住の筆者の周りでThe Black Skirtsの名前は、HYUKOHやSE SO NEONといったすでに何度か日本ツアーを行なっているバンドらと同じく、普段インディミュージックを積極的に聴かない人たちの間でもよく知られている。これまで3枚のアルバムが韓国の総合チャートでもトップ10入りを果たしているが、その人気の理由は、長いキャリアで音楽性こそ変化させながらも、常に普遍的なメロディ、直接的なメッセージを通して恋人への強い思いが伝わってくる極上のラブソングで聴き手を魅了して来たからだと思う。

 簡単にThe Black Skirtsのキャリアを辿ってみよう。1982年生まれ、本名、チョ・ヒュイルは13歳の時に家族とともにアメリカに移住した。そのアメリカ生活中の2004年にニューヨークで結成した3人組パンクバンドがThe Black Skirtsの始まりだ。アメリカで多感な思春期〜20代前半を過ごしながらも故国のインディシーンを同時に追い続けていた彼は、一人韓国に戻っての本格的なバンド活動を決意し、2008年にアルバム『201』を発表。韓国大衆音楽賞で5部門にノミネート、最優秀モダンロックアルバム部門を受賞するなど、華々しくデビューを飾った。2011年には2ndアルバム『Don’t You Worry Baby (I’m Only Swimming)』を発表すると、チャートでも最高位3位を記録。その後6年のブランクが空くものの、今回日本盤が発表される『TEAM BABY』以降、『THIRSTY』 (2019年)、『Good Luck To You, Girl Scout!』(2021年)とコンスタントにアルバムやEPを発表し、常に韓国のインディシーンのトップランナーの一組で居続けている。

 また、人気ドラマのOST(挿入歌)も2度手掛けたほか、2016年から2018年にかけてはベテランのヒップホップグループ、EPIK HIGHのメンバー、Tabloが設立した、YGエンターテインメント傘下のレーベル<HIGHGRND>に所属したり、今年に入っては、『201』収録の「Antifreeze」を人気シンガー、ペク・イェリンがリメイクするなど、ジャンルを超えた支持を得ている。

 今回日本盤が発表される『TEAM BABY』は最新作ではないものの、「ボクとじゃなかったら」、「EVERYTHING」(MVはKing Gnuの常田大希が主宰するクリエイティブレーベル、PERIMETRONのMargtが手掛けた)などの代表曲を収録し、彼らしい純愛を歌ったラブソングもより甘く魅力的な本作こそが、日本盤の一作目に相応しい作品だと思う。

The Black Skirts (검정치마) – EVERYTHING (Japanese Ver.)

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