遊助が振り返る、コロナ禍でのツアー開催 新曲「こむぎ」で提示した“らしさ”とリスナーへのメッセージも明かす
(野球は)試合を見ていて“ちょっとだけ未来が分かる”
――「セミダブル」含めここまでシリアスなメッセージが込められた曲が続きましたが、4曲目の「スラッガー」は遊び心満載の曲です。
遊助:この曲はもう、子どもたちもノリノリになれるような感じにしてみようかなと。考えさせられるというか、“ああ、そうだよなあ”みたいなことを思っていただけたらいいなという曲が続いたので、(難しいことを)何も考えないで聴ける歌も作りました。
――歌詞は野球用語が満載で、打席に立ったバッターの心境が歌われていますね。
遊助:今まで作ってきた野球の曲はどこかで高校野球をイメージしていたけど、これは完全に少年野球のイメージですね。“内野ビビってるよー”とか、俺が少年野球チームに入っていた頃、実際にみんながよく言っていたし。それこそスポーツ選手やスポーツが好きな子たちも、このコロナにめちゃくちゃ振り回されているじゃないですか。そういう人たちに向けて、嫌なことを振り切れるくらいの曲を作ってみようかなと思ったんです。
――基本的にビッグマウスだけど、2番以降で「ちゃんと練習してきたんだぜ」と主張し始める感じに、主人公のかわいらしい部分が表れていていいですね。
遊助:あははは。純粋に好きなことに打ち込んでいるわんぱく坊主をイメージして書きました。
――遊助さんは6歳の頃から野球をやっていたんですよね。
遊助:そうですね。小さい町に住んでいたんですけど、近所のお兄ちゃんが野球を始めたことによって、いよいよ遊ぶ人がいなくなって。あんまり覚えてないんですけど、「野球やりたい」ってお母さんに伝えたとき、1週間ずーっと泣いてお願いしていたらしいんです。そのあと、チームに入れてもらったんですけど、周りのお兄ちゃんたちに比べて俺はまだ小さかったから、ユニフォームのサイズがなくて、青いユニフォームのチームだったのに、俺だけブッカブカの黄色いユニフォームを着て、テクテクついていっていたから、みにくいアヒルの子みたいでした。ちなみに、今回の曲タイトルになっている小麦も“黄色”なんですよね。
――その頃から黄色に縁があったんですね。遊助さんは、野球のどういうところに面白さを見出しているんですか?
遊助:これコロナじゃなかったら「今日神宮行くか!」っていうのが一番早いですけどね(笑)。どう言えばいいんだろうなあ……。俺、野球の見方が独特で。
――というと?
遊助:試合を見ていて「あ、この選手、今こんなことを考えているんだろうなあ」「これが癖だな」というのを見つけると、その人が次に何をするかが分かるというか。カッコいい言い方をすると、ちょっとだけ未来が分かる。しかもそれがあんまり外れないんです。それは野球だけじゃなくて。例えばバラエティに出ているときでも一緒。呼吸のしかたとか目線の落とし方、「あ、今手汗拭いた」みたいなしぐさから、「この人今こんなふうに感じている」「だから次はこうなるんじゃないかな?」というのがぶわーっと出てくるんです。
――それは他のスポーツではダメなんですか? 例えばサッカーとか。
遊助:サッカーだと45分間ずっと動いているから分かりづらいけど、野球って、例えばピッチャーがボールを持ってサインを見ているときは誰も動いていないじゃないですか。野球って試合が止まっている時間が多いスポーツだから、人が何を考えているかが見えやすいんじゃないかと俺は思ってますね。
――その“少し先の未来が分かる”という感覚は、プレイヤーとして野球をやっていたからこそ身に着いたものなんですか?
遊助:というよりかは……小さい頃、両親が忙しくて鍵っ子だったから、親戚の家とか同級生の家とか、自分のフィールドではないところに行くことが多かったんですよ。それもあって、「あ、この人こういう感じだな」というのを俯瞰して見るのが癖になったんだと思う。顔色を伺っていたわけじゃないけど、どうしたら自分が生きやすいのかを考えながら、「このおばちゃんがこういうふうに箸を出すときは機嫌がいいときだ」みたいなのをずっと見てきたんです。同じように、野球をやっていても、「この選手、今は気持ちの流れがこういう感じだから、このあとこういう展開になりそうだな」「この監督は見た目強そうだけど小心者だからこういうときにしか攻めてこないな」というところを見るようになって。俺はキャッチャーだったんですけど、キャッチャーって試合中に向いている方向が自分だけ違うから、“俺だけ幽体離脱しちゃってる!”みたいな感覚になって、全部が自分に動かせているような気がしてくるんです。もちろん読みを間違えることもあるし、失敗するときもあるんですけど、それがすごく楽しかったですね。
――なるほど。
遊助:そういうのが分かれば分かるほど、野球って面白いですよ。だって不思議じゃない? 1億円のプレイヤーだとしても二手、三手先を俺に読まれていて、本当にその通りに動くなんて。「このあと、こんなふうに打って、この辺りに飛んで、こういう展開になるんだろうな」って俺は分かってるけど、誰も気づいてないから、必死にヘッドスライディングとかしてたりして……って、何かすごく性格が悪いみたいに聞こえるかも(笑)。
――(笑)。最近の野球を見ていて、何か思うことはありますか?
遊助:俺が10~20代の頃は、走・攻・守のバランスのいい選手が多かったんですよ。投げたら上手い、捕ってもうまい、そして走れるという。だけど今はもっと多様化して、めちゃくちゃ飛ばす人とか、めちゃくちゃ足が速い人とか、“このバッターだけは絶対抑えられる”というワンポイントのピッチャーとか、ある能力に特化したスペシャリストが多くなってきていますね。
――何の影響でそういうふうに変化していったんだと思いますか?
遊助:俺はSNSとかネットな気がしています。野球ってノーバウンドの打球をとったらアウトになるけど、ゴロの場合、とって、投げて、1塁の人がそれをとってベースを踏まないと、アウトにならないじゃないですか。だからゴロの方がアウトにするまでの段階が多い。それでメジャーリーガーとかは、エラーを誘うより、フライを上げて万が一のホームランを狙う方が確率が高いんじゃないかということで、打ち方が変わってきたんですよ。そういうふうに、データに基づいた野球論が変わってきているのと、あと、今は、プロ野球の選手たちがYouTubeに動画をアップしているような時代だから。昔は自分のいるチームの監督やコーチ次第な部分も大きかったけど、今は名門校の名監督から教わらなくても、YouTubeさえ見られれば簡単にプロ野球選手から教わることができる。それもあって「俺の長所は足の速さだから、これをもっと伸ばそう」みたいな選手が急に増えたんだと思います。
――要するに、勝つためには何を強化したらいいのかが見えやすくなっているし、強化する方法にもアクセスしやすくなっていると。
遊助:そう! だから、今までの野球論が全部覆されている感じがありますよね。、昔は黄金の9人を作るために頑張っていたけど、今はカードゲームみたいに「この選手にはこの選手を当てよう!」「ここでこのカードを切った方が面白いんじゃない?」というのが分かりやすくなっているから、見ていてもっと面白いかも。
サイン入りチェキプレゼント
遊助のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
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※チェキはランダムでの発送となりますので、メンバーの指定は受け付けておりません。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
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<締切:10月20日(水)>
■リリース情報
『こむぎ』
2021年9月29日(水)発売
【初回生産限定盤A】(CD + DVD)
¥1,900(税込)
DISC1(CD)
01. こむぎ
02. セミダブル
03. 夢はシンプル
04. こむぎ -Instrumental-
DISC2(DVD)
01. 「こむぎ」Music Video
02. 「こむぎ」Music Video Making
【初回生産限定盤B】(CD + フォトブック)
¥1,900(税込)
DISC(CD)
01. こむぎ
02. セミダブル
03. 夢はシンプル
04. こむぎ -Instrumental-
初回生産限定盤B特典フォトブック
レコーディング風景&MV撮影オフショット満載全32P
【通常盤】(CD Only)
¥1,350(税込)
DISC(CD)
01. こむぎ
02. セミダブル
03. 夢はシンプル
04. スラッガー(通常盤のみ収録)
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