ジェニーハイの進化が止まらない 豪華ゲストと共に繰り広げた圧巻の初アリーナ公演
再開の1曲目はアイナ・ジ・エンド(BiSH)をステージに招き入れての「不便な可愛げ」。アイナとイッキュウのツインボーカルが妖艶なムードを醸し出す。何か一言、と促されて「さっき小籔さんにもらったブラウニー、めっちゃおいしかったです」と応えてステージを去るアイナ。小籔はそれに「ヒェア!」と雄叫びを上げる。一転「卓球モンキー」では「卓球がしたい」というテーマとは裏腹にソリッドなロックサウンドでバンドの実力を見せつける5人。くっきー!が体を大きく揺らしながらベースを弾き倒している。「シャミナミ」ではセンターステージでイッキュウがラインストーンでデコられたコンビニのレジでピッとするバーコードリーダーを振りながら歌う。それに応えて客席で揺れる青いペンライトが美しい。アウトロでは新垣の麗しいピアノプレイ。息を呑むような怒涛の展開だ。
そんなこんなであっという間に本編ラスト。「まるで幸せ」は、スクリーンにバンドのこれまでを振り返るような映像が流れるなかでプレイ。1stアルバムに収められた珠玉の名曲だが、映像も相まって唐突に泣かされそうになる。「え、なんで……?」と思っていたら、メンバーも同様だったらしく、川谷はアンコールで再登場したときに「解散するみたい(笑)。笑いそうになった」と言っていた。もちろんジェニーハイは解散しない。アンコールでもフルスロットルだ。
再びロバートの秋山竜次が登場し、ジェニーハイの真の仕掛け人・ノギに扮して散々かき回し引っ張った後、「ジェニースター」で5人はクールにラップをキメる。そしていよいよ最後の曲。ステージにもうひとりのゲストが招き入れられる。真っ赤なスパンコールドレスに身を包んで現れたのは、そう、ちゃんみなだ。現れた瞬間から圧倒的な存在感を放つ彼女だが、アルバムの1曲目である「華奢なリップ」をアンコールの最後に持ってきたことについて「この人たち、どうするつもりなんだろう」と戸惑いを吐露する。
しかし、そうして披露された「華奢なリップ」は圧巻だった。鋭い眼光を放ちながら歌うちゃんみなが眩しい。最後のサビではイッキュウとちゃんみなが手を繋いで花道を歩いてフィナーレ。この光景には小籔も「エモかったで!」と大絶賛だった。どんどん拡大するジェニーハイファミリーが頼もしく見えた。川谷は来年に向けて新たな展開を画策していることも宣言していたし、まだまだジェニーハイの進化は止まりそうにない。