LMYK、アニメ『ヴァニタスの手記』EDテーマ「0 (zero)」で追求した哲学的テーマ 英語詞と日本語詞の違いも語る
日本語の楽曲にしかない魅力がある
ーー今回、英語詞バージョンにも挑戦していますね。
LMYK:そうなんです。『ヴァニタスの手記』が世界中に配信されることになったので、英語圏の人たちに向けて初チャレンジしました。最初から英語で書く曲とはまた全然違うアプローチでしたね。その言語ならではの表現や譜割というものがあるのですが、今回はすでに決まったメロディがあった上で、そこに日本語を英語に置き換えていく作業。自分の作品としては初めての試みでした。直訳をするとどうしても違和感があったので、細かいニュアンスなどは変えています。ただ、全体的なテーマは変えないように気をつけましたね。
ーーかなり大変そうな作業ですね……?
LMYK:難しかったですね。最初はあまりにも日本語が定着し過ぎてしまって「できない!」と思ってしまいました(笑)。どんな英語を入れても変に感じたんですよ。でも、何度も試行錯誤を繰り返していくうちに「いけるかもしれない」と思えるようになってきて。結構時間がかかりましたけど、達成感はとても大きかったです。
ーーボーカルのレコーディングで心掛けたことは?
LMYK:今回は自宅とスタジオ、両方でレコーディングしたんです。サビやハーモニーは主にスタジオで録りました。かなり速いテンポのコーラスだったので、必死で歌っている感じが出ないように気をつけました。
ーーこの曲はどんな人に聴いてもらいたいですか?
LMYK:かなり抽象的な表現も多いのですが、聴いてくださった人にとって何かしら人生の発見というか、「問い」や「気づき」につながるといいなと思います。
ーーところで、LMYKさんの公式YouTubeチャンネルで「香水」(瑛人)のカバー動画が配信されていますよね。すごく新鮮でした。
LMYK:おそらく、パッと聴いた瞬間には「香水」だと気づかない人もいると思います。英語詞にしてテンポもグッと落としたピアノ1台の伴奏のみで。原曲とはまた違った雰囲気になったのではないかと。私に合ったアレンジに仕上がったと思います。この曲で、日本語詞を英語詞にしたことが「0 (zero)」の英語詞バージョンにも活かされました。実は結構、この作業が自分は好きなのかもしれないですね(笑)。洋楽をずっと聴いてきたのもあって「ここはやっぱり韻を踏みたい」みたいなことも自然と思いつきますし。またぜひ、違う曲でもチャレンジしてみたいですね。玉置浩二さんやKiroroが好きなので、彼らの曲もいつか英語詞カバーをしてみたいです。
ーー「香水」を歌ってみて、改めてJ-POPの特徴について思うところはありますか?
LMYK:やっぱりメロディが綺麗ですよね。コード進行もすごく凝っていて洋楽に比べるとこだわりを感じることが多いです。メロディが綺麗だという印象は、多くの人が感じているんじゃないかなと。アニメを観ている人が、その主題歌が大好きになることはすごく多いと思います。実際ニューヨークに暮らしていた時は「この曲、知ってるよ」って言われる日本の曲は、大抵アニメの主題歌でした。実は私もニューヨーク時代に1曲だけ日本語のオリジナルソングを披露していたんですけど、それを聴くとみんな必ず「他の曲とは雰囲気が違う」と言って、すごく喜んでくれていましたね。何かしら日本語の楽曲にしかない魅力みたいなものが、メロディも含めあるのだと思います。
ーーちなみに、最近はどんな音楽を聴いていますか?
LMYK:以前よりもリズミカルでグルーヴのある音楽が以前よりも好きになりました。構成がはっきりした曲よりも、例えばフロウが心地良かったり、キャッチーなフレーズが繰り返されたりする楽曲に惹かれます。あとは、打ち込みと生楽器が融合されているもの……最近だとイギリスのR&Bソウルシンガー Hope Tala(ホープ・タラ)とか、すごくよかったですね。そういう情報はApple Musicのリコメンドから辿って行ったり、Instagramで誰かが紹介しているものを聴いたりして集めています。あと、日本のラジオも古今東西のいろんな音楽を紹介していますよね。アメリカのラジオでは、最新ポップスばかりかかっていた印象でしたけど。
ーーコロナ禍のデビューとなり、ライブやプロモーション活動など思うように出来ない状況かと思うのですが、今後の目標を最後に聞かせてもらえますか?
LMYK:「Unity」をリリースした直後に収録ライブを一度行ったくらいで、今のところLMYKとして人前で演奏したことがありません。お客さんの反応を直接感じながら歌ったり演奏したりする機会が、LMYK名義になってからはまだないので、早く皆さんの前でライブをしたいです。
実を言うと、今年の秋にライブが決まっているんですよ。大阪のFM802が主催する『ミナミホイール』です。昨年収録ライブでやった時と同じように、トラックを流しながらピアニストと2人で演奏する予定です。楽しみにしていてください。
■リリース情報
「0 (zero)」
2021年8月11日(水)
ダウンロード&ストリーミングリリース
2021年9月8日(水)
CD(期間限定生産盤)リリース
価格:1,200円(税抜価格)
仕様:アニメ描き下ろしトールサイズデジパック【期間生産限定盤】
<収録曲>
M1. 0 (zero) [TVアニメ「ヴァニタスの手記」エンディングテーマ]
M2. 0 (zero) -English version
M3. Unity [映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」日本語吹替版主題歌]
新曲「0 (zero)」iTunesプリオーダーはこちらから:https://erj.lnk.to/XgFc4QWN
応募フォームはこちらから:https://www.sonymusic.co.jp/event/102292
■アニメ情報
TVアニメ『ヴァニタスの手記(カルテ)』
2021年7月2日(金)24 時より TOKYO MX ほかにて放送開始
・TOKYO MX 7月2日より 毎週金曜24:00~
・とちぎテレビ 7月2日より 毎週金曜24:00~
・群馬テレビ 7月2日より 毎週金曜24:00~
・BS11 7月2日より 毎週金曜24:00~
・MBS 7月3日より 毎週土曜26:38~
・RCC 7月6日より 毎週火曜25:27~
・CBCテレビ 7月7日より 毎週水曜26:35~
・北海道放送 7月8日より 毎週木曜25:58~
・RKB毎日放送 7月8日より 毎週木曜27:00~
・アニマックス 7月24日より 毎週土曜21:30~
スタッフ
原作:望月 淳(掲載 月刊「ガンガンJOKER」スクウェア・エニックス刊)
監督:板村智幸
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤嘉之
サブキャラクターデザイン:中山知世
プロップデザイン:石橋慎平
ビジュアルコンセプト・色彩設計:滝沢いづみ
美術デザイン:多田周平
美術監督:金井眞悟
撮影監督:張盈穎
3DCG 監督:三宅拓馬
編集:松原理恵・白石あかね
音楽:梶浦由記
音響監督:若林和弘
音響効果:倉橋静男(サウンドボックス)、西佐知子(サウンドボックス)
アニメーション制作:ボンズ
主題歌
オープニングテーマ:ササノマリイ「空と虚」
エンディングテーマ:LMYK「0 (zero)」
キャスト
ヴァニタス:花江夏樹
ノエ:石川界人
ジャンヌ:水瀬いのり
ルカ:下地紫野
ドミニク:茅野愛衣
先生:石田彰
ムル:小牧未侑
ダンテ:木内太郎
ヨハン:遊佐浩二
リーチェ:久間梨穂
(C)望月淳/SQUARE ENIX・「ヴァニタスの手記」製作委員会
『ヴァニタスの手記(カルテ)』オフィシャルサイト:https://vanitas-anime.com/
LMYK オフィシャルホームページ:https://www.lmyk.jp/