lyrical schoolが生み出す“ヒップホップ濃度高め”のグルーヴ FNCY&valknee招いた『MAGIC JAM vol.2』

lyrical school、ヒップホップ濃度高めな一夜

 valkneeとFNCYがLIQUIDROOMの雰囲気を最高な状態に仕上げ、ついに大トリを務めるリリスクが登場。ちなみに今回、“1st JAM”と“2nd JAM”ではそれぞれリリスクのセットリストは全く異なっており、全12曲中、重複しているのはたった1曲(「Fantasy」)のみ。実にチャレンジングな試みだ。当然、“2nd JAM”の方はよりヒップホップ色の強い曲構成となっており、KMプロデュースによる1曲目「TIME MACHINE」でのクールかつハードなイメージのステージングからもそんな思いが伝わってくる。

 なかでも“2nd JAM”の核となっていたのが、valkneeがリリックを手がけていた楽曲たちだろう。2曲目には「SHARK FIN SOUP」、前半ブロックのラストにはシングル曲でもある「FIVE SHOOTERS」と、いずれもアルバム『Wonderland』からvalknee作詞の2曲をセットして、大きな流れが作られていた。さらに前半部分では、『BE KIND REWIND』から「Enough is school」と「シャープペンシル」を連続で挟み込んで空気感を変化させたりと、選曲の随所に細やかな工夫が感じ取れる。

hime
risano
minan
hinako
yuu
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 そんなヒップホップ色の濃いセットリストに引っ張られるかのように、メンバー5人のマイクパフォーマンスやステージ上の動きも、よりグルーヴ感が増しているように感じられた。特にラッパーとしては、個人的にもグループ内のツートップだと思っているhimeとrisanoのキレの鋭さとテンションの高さが際立っていた。risanoは最初のMCパートで突然、鎮座DOPENESSのカッコ良さを熱く語るなど、本人が言っていたように、“2nd JAM”全体を最も楽しんでいたのは彼女に違いない。

 MC明けのステージ後半は、再びvalkneeがリリックを手がけた「HOMETENOBIRU」でスタート。続いて「Danger Treasure」「YABAINATSU」と『Wonderland』収録曲で繋げながら、この日が初公開となる新曲「Pakara!」が披露された。8月にデジタルリリースされるEP『PLAYBACK SUMMER ver1.2』に収録予定の「Pakara!」だが、曲名が示しているように馬の足音のようなビートが高らかに響くアッパーな楽曲で、会場のボルテージも一気に上がった。

 最後は再びMCを挟んだ後、「Fantasy」「SEE THE LIGHT」によってエモーショナルな空気に包まれながら、リリスクの“2nd JAM”のライブは終了。valkneeとFNCYのメンバーをステージ上に呼び込み、出演者全員とオーディエンスによって写真撮影が行われ、会場中が笑顔のまま『MAGIC JAM vol.2』は幕を閉じた。

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