ライムスター宇多丸、藤井隆らも熱視線! ジェンダーやジャンルを超える新時代の“DIVA” ゆっきゅん とは?
ゆっきゅんのソロプロジェクト「DIVA Project」が、2021年5月、世に放たれました。デビュー曲「DIVA ME」MVが公開されるやいなや、ジェンダーやジャンルの垣根を越え多方面から注目を浴びています。
TBSラジオ『アフター6ジャンクション』でのライムスター・宇多丸さんとの熱い対話(*1)、吉田豪さんを経由しての藤井隆さんの反応、Clubhouseで出会った柚木麻子さんから文化人界隈への大拡散。東京藝術大学(草野絵美さん・スプツニ子!さん講師/グループワークでのMV制作を学ぶ授業)での講義、根本宗子さんネットラジオ(*2)出演、7月には野中モモさんとの対談(書籍『イラストで学ぶジェンダーのはなし みんなと自分を理解するためのガイドブック』(フィルムアート社・刊)発刊記念オンライントーク)(*3)も行なわれました。
「ゆっきゅん」とは?
男性として初の講談社主催『ミスiD 2017』ファイナリスト、映画をモチーフとしたサントラ系アヴァンポップユニット「電影と少年CQ」メンバー。今年3月に大学院(青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻)を修了し、満を持して怒涛のDIVA活動を展開しています。
その存在について語るには文字数がいくらあっても足りないので、「DIVA Project」お披露目ライブでのカバー3曲を挙げてみましょう。選曲から、ゆっきゅんの捉えるDIVA像が見えてきます。
美輪明宏「愛の讃歌」ーー性別どころかこの世とあの世の境界線も軽々と越えてしまうDIVA。
中谷美紀「MIND CIRCUS」ーー誰もが知る大女優の若かりし頃、彼女に掻き立てられた作家たちの妄想が結実した破滅的イノセンス。
ブリトニー・スピアーズ「Toxic」ーー実父の「毒(Toxic)」から解放されようともがく現在の彼女へ送るエール。
ゆっきゅんの輝かしい武器は、「言葉」です。2019年から定期開催されている単独トークライブ『バラ色会議』は、自作のPowerPoint画像を背にハイパージェットマシンガンおしゃべりが爆発する、知性とおもしろのぶつかり稽古。
映画の話、ファッションの話、大学で学んだことについて、そして「DIVA ME」に繋がる「若手女優の歌手活動」の話。片瀬那奈・山田優・新垣結衣・中谷美紀らの音楽について、懐古主義的な見方に留まらず、現在の価値観と知識総動員で語り尽くしました。
「DIVA Project」を自ら解説する回「FULL DIVA BIRTHDAY」では、企画書・衣装・歌詞などの制作過程が明らかにされ、いつか「DIVA Project」本が発行される際には丸ごと収録してほしい充実の内容でした。
「私が愛するDIVAたち」回は、浜崎あゆみ・宇多田ヒカル・椎名林檎・Tommy february6・大森靖子らJ-POP界の歌姫たちから得た愛と学びを語り、個人的思い出と批評的眼差しが交差した、心の真実が溢れて止まらない回でした。
物心ついた時からMTVやスペースシャワーTVを浴びるように観てJ-POPに耽溺、図書館に通いインターネットの海をすいすい泳ぎ、ご家族からしっかり愛されて育まれた、ゆっきゅんの美意識。
ゆっきゅんが捉えるDIVAは「歌姫」の意味だけに留まらず、自分が自分のままで光り輝く、心に正直で、不遜で、堂々と美しい存在。歌によって、自己を実現している存在。