Snow Man、多彩な表現を実現するメンバーの個性とチームワーク 『HELLO HELLO』C/Wが映し出すグループの特性

Snow Man『HELLO HELLO』レビュー

 7月14日、Snow Manが4thシングル『HELLO HELLO』をリリースした。表題曲「HELLO HELLO」は、7月9日公開のラウール主演映画『ハニーレモンソーダ』主題歌とあって大きな話題を呼んでいたが、リリース日が近づくに連れて収録内容の全貌が明かされていき、そのたびにTwitterでトレンド入りを果たす。そして、リリースの際にはオリコンのデイリーランキング(7月13日付け)で堂々の1位を獲得。そんな状況に追い打ちをかけるように、3rdシングル『Grandeur』が、2021年7月12日までの集計で100万枚セールスを突破し、3作連続ミリオンを達成という快挙を成し遂げた。

Snow Man「HELLO HELLO」Music Video YouTube Ver.

 そんなSnow Manの多彩な魅力が凝縮された『HELLO HELLO』だが、まずは初回盤Aと通常盤に収録されている「縁 -YUÁN-」から考えてみよう。同曲はメンバーの佐久間大介が声優としてW主演を務めるアニメ映画『白蛇:縁起』日本語吹替版の主題歌で、ところどころに組み込まれている中国語の歌詞と中国風サウンドが映画の世界観とぴったり重なっている。

Snow Man「縁 -YUÁN-」Music Video YouTube Ver.

 6月23日に公開されたMVを見ると、真似しやすいポップなダンスが特徴的な「HELLO HELLO」とは打って変わり、ダンスは一切していない。切なく苦しい恋心を表現した歌詞をしっかり伝えるためか、歌一本で勝負している。Snow Manのメインボーカルといえば渡辺翔太で、これまでリリースしてきた多くの楽曲の鍵となるパート、テクニックが必要になるパートなどを担当してきた。その渡辺の歌唱力は多くの人に知られているが、同曲は他のメンバーたちの歌唱力もしっかりアピールできる仕上がりになっている。それこそ、冒頭部分の佐久間の真っ直ぐな歌声は聴く人の心をしっかり掴んでいるし、Bメロの岩本照と宮舘涼太、深澤辰哉のハーモニーは長年培ってきたチームワークを表すかのようにがっちりハマっている。これまでダンスパフォーマンス込みで魅せてきたSnow Manだが、歌でも人々の心を震わすことができると証明できたのではないだろうか。

 とはいえ、同曲の魅力は歌“だけ”ではない。彼らが培ってきた表現力が爆発しているのである。MVを見るとダンスをせずに、目線や表情、手の動きという限られた部分のみで、歌詞の切ない世界観を表現。しかも9人それぞれ微妙な違いがあり、一人ひとりが歌詞を自分なりに昇華しているとも想像できるのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる