yama、Ado、Vaundy……7月期ドラマ主題歌は気鋭の若手が担当 共通点は歌声の記名性に?
Vaundy「花占い」(日本テレビ系ドラマ『ボクの殺意が恋をした』主題歌)
日本テレビ系新日曜ドラマ『ボクの殺意が恋をした』は、中川大志が主演を務めるラブコメディ。中川演じる殺し屋の主人公が、新木優子演じる暗殺対象に恋してしまうスリリングかつユーモラスなストーリー。そんな『ボクの殺意が恋をした』の主題歌を担当するのはVaundy。「東京フラッシュ」や「不可幸力」のヒットも記憶に新しい彼の新曲「花占い」は、ホーンセクションが印象的に鳴る、思わず踊りたくなるようなアップテンポなナンバーに仕上がっている。Vaundyのアンニュイなムードがありながらも力強い歌声には胸が高鳴るような高揚感を覚える1曲だ。
思えば4月クールのドラマ主題歌は米津玄師「Pale Blue」や星野源「不思議」、back number「怪盗」にあいみょん「愛を知るまでは」と、これまでも様々な主題歌を担当してきたアーティストによる楽曲が多く、安定感のある楽曲がドラマを彩った。一方で7月期のドラマは上記で紹介したアーティストたちをはじめ、瑛人ら新進気鋭の若手アーティストたちが主題歌を担当。彼らの勢いを感じさせる起用が話題となっている。
とりわけ、今回取り上げた3組のアーティストはそれぞれ特徴のある歌声が印象的だ。一聴しただけで誰が歌っているのかがすぐに分かる魅力的な歌声。yama、そしてAdoは自身の素顔を非公開にしていることもあり、ミステリアスさと共に一層歌声の記名性が際立っている。Vaundyは聞き手を惹きつける強さと物憂げな柔らかさを両立した豊かな表現力を感じさせる歌声がサウンドとしっかりと絡み合う。そんな特徴的な歌声を持つアーティストたちによる主題歌が、ドラマの世界観を拡張し、相乗効果を生み出す。7月からはぜひドラマと共に、次世代アーティストたちによるドラマ主題歌にも注目してみてはいかがだろう。
■ふじもと
1994年生まれ、愛知県在住のカルチャーライター。ブログ「Hello,CULTURE」でポップスとロックを中心としたコラム、ライブレポ、ディスクレビュー等を執筆。
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