『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生したINI 田島将吾、“心技体オールAクラス“と言われる所以

 一方で、パフォーマンス面だけでないのが田島の素晴らしいところだろう。パフォーマンス時はクールかつ力強さを見せるのに普段はどこか控えめで、好感度が高かったのだが、番組を通して優れた人間性を見せてきたのである。その彼の人柄を初めに感じたのは、番組テーマソング「Let Me Fly〜その未来へ〜」のセンター決めのシーン。事前に田島を含むセンター候補の練習生が3名発表された後、最終的にセンターを務めた木村の名前がスクリーンに映し出されたのだが、その瞬間がっかりした表情を見せる間もなく、木村へ笑顔と拍手を送っていたのである。自分が選ばれる可能性がある中、この行動はなかなかできることではない。

 他にもポジションバトルでは、思うように歌詞を書けないで悩んでいた西洸人に寄り添い、気分転換のために外に連れ出すという優しさを見せたり、グループバトルでは責任感の強さ故、もう1組と比べてチームメンバーが「劣った」と感じていることに悩んだり。自分をさらなる高みに押し上げようとするストイックさはもちろん、周りへ気遣いも持ち合わせるなど、まさに「心技体オールAクラス」というコピーがピッタリだということが分かる。

 ここまで完璧だとある種の近寄りがたさがあるものだが、ビハインド動画などを見ると田島の周りには常に練習生が集まっている。ポジションバトルのセンター決めのときも、池﨑が「(センターを自分も)やりたかったんですけど、(田島なら)すごいセンターをしてくれるんじゃないかって」と託しているシーンがあった。これも、田島が人徳を集めているが故なのだろう。

 さらに、ステージを降りると少年っぽい可愛らしい一面も持つ田島。物静かに笑顔を見せるタイプで、「恥ずかしい」「やだぁ〜」など、チャーミングなコメントをしているシーンが多々ある。こうした面も、多くの国民プロデューサーの心を掴んだ理由の一つだ。

 この先、グローバルに活躍するアーティストとして成長していく上で、心の美しさは欠かせない要素となるはずだ。田島が持つ心のピュアさとストイックさが、きっとINIをより良い方向に導いていくのであろう。

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