米津玄師、“攻めた”音作りのラブソングでシングルチャート首位に NMB48、三代目JSBも好調

 一方で、チャートの2位に付けた『シダレヤナギ』はNMB48の通算25枚目となるシングル。表題曲は軽快なポップチューンで、川辺を一人で歩く主人公が夜空の花火(シダレヤナギ)を見て過去を回想する歌詞が切ない。3位の『100 SEASONS / TONIGHT』は、三代目 J SOUL BROTHERSの通算27作目となるシングル。これから先も100年の季節を共に過ごしたいというファンへ寄り添う気持ちが込められている。

【MV】シダレヤナギ / NMB48
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE / 100 SEASONS (Music Video)

 もう一度米津に話を戻そう。今作に収録されているカップリング曲の「ゆめうつつ」は、エレピのタッチがやさしい一曲で、跳ねるビートをバックに、ジャジーでナイトグルーヴなムードを漂わせる米津流のチルホップとなっている。歌詞には無力感や虚無感があり、どちらかと言えばこちらの方が現代の(ネットミュージック系の)メインストリームに近く、「Pale Blue」のクラシカルな作風はかなり“攻めた”音作りだと言える。そして、それこそが米津玄師というアーティストの真骨頂だと思うのだ。音楽シーンのど真ん中に居ながらにして、そことある種距離を取った音を(表題曲で)鳴らす。「Flamingo」にしてもそうだったが、時代に寄りかかり過ぎず、思うままに自由に作っている印象だ。そうした作品がしっかりとセールスに結び付いている令和の音楽シーンに、この上ない面白さを感じるのである。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2197759/full/

■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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