『毅の“カタリタガリ”』第5回
SUPER★DRAGON 古川毅、世界のポップシーンを語りまくる 新たなスタンダードを築くアーティスト4組
■H.E.R
2016年にリリースしたデビューEP『H.E.R. Volume1』に入っている「Focus」という曲に衝撃を受けたことがきっかけではまりました。今年の4月にリリースした、僕にとってオンタイムのヒーローであるクリス・ブラウンを迎えたシングル「Come Through」も素晴らしかったです。実は彼女、デビュー当初はメディアへの露出などは一切なくて匿名アーティストみたいな感じだったんです。曲にすべてを注ぐことでアリシア・キーズら影響力のあるアーティストの目にも留まり存在が広まっていきました。その後は徐々にベールを脱ぎ、2019年からは3年連続でグラミー賞にもノミネートされ、今年は「I Can't Breathe」が年間最優秀楽曲を受賞。間違いなくこれからのR&Bを象徴する存在になっていくアーティストだと思います。
彼女の魅力は、オーセンティックなソウルから90年代のR&B、ネオソウル、2010年代のオルタナティブR&Bまで網羅した曲のラインナップを見事に歌いこなす表現力。声を思いっきり張って明快なダイナミクスで魅せるタイプではないんですけど、一つひとつの声が発する色気やバリエーションすごくて、曲によってさまざまな感情が溢れてくる。ソウルというものが血肉になっているからこその力だと思います。リアルサウンドにもH.E.R.の特集記事(※1)があったので、そちらもぜひご覧になってください。
※1:アカデミー賞&グラミー賞に輝いたH.E.R.、その歩みを辿る 米音楽シーン代表するアイコンに成長するまで