『関ジャム』出演でも再注目 バンドのフロントマンからトーク力生かした活動まで……Base Ball Bear 小出祐介の現在地
6月6日放送の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)、「3ピースバンドのギターボーカル特集」で和田唱(TRICERATOPS)、宮崎朝子(SHISHAMO)と並んで番組初登場となったのがBase Ball Bearでギターボーカルを務める小出祐介。4ピースから3ピースバンドに変わった、という他2名とは異なる経緯を持つフロントマンとして、番組内でも的確なトークで盛り上げていた。本稿ではBase Ball Bearとしてはもちろんのこと、様々なカルチャーに精通し、外仕事も多岐に渡って行う小出祐介の現在地について紹介していきたい。
番組中にも言及していたが、Base Ball Bearとしてのこの3~4年は3ピースバンドとしての体質を変える時期であった。そこで発揮されるのが、リードギタリストとしての小出祐介の地力だ。番組で取り上げられた「The Cut」のようなラップパートまでもやってのける凄まじいプレイはもちろんだが、4ピース時代の名曲を3ピース用に再編する際の創意工夫にも注目したい。「changes」や「ドラマチック」といった代表曲たちのキャッチーなフレーズはしっかり残しながら、より削ぎ落したアレンジで聴かせる。見せ場であるギターソロでも半分は原曲のまま、残り半分はがらりと様相を変えることで楽曲自体に新鮮さと安定感の両方をもたらしていく。バンドとして求められるものと現編成で可能なこと、そして新しく見せたい姿の全てを網羅するような、絶妙な再編力を味わえるのが今のBase Ball Bearのライブなのだ。
またゲストギタリストとして、5月28日に開催された赤い公園の解散ライブ『THE PARK』にも参加。昨年急逝した津野米咲と同じ機材を用いながらもカッティングなど細やかなプレーで個性を覗かせ、Base Ball Bear以外の楽曲を弾くことで浮き彫りになるギタリストとしての魅力が詰まっていた。今後も滅多にない機会がゆえ、目に焼き付けておきたい名演だった。
今回初登場となった『関ジャム』での小出のコメントは常に印象的だった。長岡亮介(ペトロールズ)のギタープレイについて、実演を交えながら「刀選ばない」「何弾いても長岡亮介になる」と形容し、共演者である和田唱に対し「佇まいがロックスター」というキャッチーな見出しをつけて番組の山場を作り出すなど、八面六臂の大活躍であった。また今放送のセッション曲となったTRICERATOPS「Raspberry」を2014年にTwitterで絶賛しており、それ以外の場でも長きに渡りその魅力を発信。
ちなみに、それぞれのパートは勿論、詞曲、アレンジ、アンサンブル、歌、コーラス、もうすべて引っくるめて、日本のあらゆるバンドの曲でまずコピーすべきなのは、TRICERATOPSの「Raspberry」だと思います。まじで。シンプルで奥深くて宝箱みたいな曲です。
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) April 15, 2014
昨年5月には「Raspberry」1曲を『関ジャム』で特集して欲しいという具体案までツイートし、遂に今回の放送で存分に語り尽くしてくれた。
まじで「Raspberry」は大発明です。関ジャムでこの1曲だけを特集して欲しい。 https://t.co/wE2C8qs6O5
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) May 11, 2020