『toku×鈴木このみ×やなぎなぎSpecial Live「bouquet」』
GARNiDELiA toku、鈴木このみとやなぎなぎ迎えたプレミアムライブ ソロアルバム『bouquet』収録曲をいち早く披露
6月16日にソロとして初めてのアルバム『bouquet』をリリースするGARNiDELiAのコンポーザー・tokuが、同作に参加した鈴木このみとやなぎなぎをゲストに迎え、6月6日にBillboard Live YOKOHAMAで1日限りのプレミアムライブ『toku×鈴木このみ×やなぎなぎSpecial Live「bouquet」』を開催した。大人の装いでそれぞれのヒット曲を聴かせたほか、アルバム発売に先駆けて収録曲をいち早く披露。アルバム参加ボーカリストからのお祝いコメントも紹介され、発売が待ち遠しくなるイベントになった。
大人のムードで見せた鈴木このみ
このイベントは、まだ発売されていないtokuのソロアルバム『bouquet』の楽曲を、生演奏で先に披露するという試み。「こういう素晴らしいボーカリストがいて、こういうアルバムを作りましたという流れを、発売前に感じてほしくて企画しました」とtoku。アルバム『bouquet』に対する自信が感じられた。
前半は、1人目のゲスト・鈴木このみを迎えた。Billboard Live YOKOHAMAで歌うのは、今回が初めてだと言う。「いつもはライブハウスで“エイッヤー!”という感じでやっているんですけど(笑)、今日は大人の雰囲気で緊張します」と、どこか硬い表情。観客も全員着席で歓声をあげることができず、いつものライブと異なる空気が漂っていた。
「せっかくだからカンパイしましょう」と鈴木。「tokuさんの素敵なアルバムの発売と、皆さんと会えたことを祝してカンパーイ!」と、鈴木このみの持ち前の明るさと元気で前向きなマインドが、会場を明るく照らし、ガラリと空気を変えた。
アイルランド調の軽快なサウンドが楽しい「Humming Flight!」は、会場には手拍子が沸き起こり、tokuもハーモニカを吹いて場を盛り上げる。アイルランドの酒場で踊りながら酒を楽しむような雰囲気に、Billboard Live YOKOHAMAが、本来の姿を取り戻したような楽しい空間へと一気に変わった。
TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』後期オープニングテーマとして話題の「Bursty Greedy Spider」は、作詞作曲を担当した草野華余子に関するトークでしばし盛り上がる。ヘヴィでアッパーなサウンドに乗せて、鈴木はステージを動き回りながらパワフルに歌い上げ、観客は声をあげる代わりに、腕を振り上げて声援を送った。
最後には『bouquet』に収録の「青い薔薇」を披露。「このみさんは、年々歌が上手くなっていて。難易度が高いかなと思ったけど、“大丈夫ですよ”って余裕でしたね(笑)」と同曲のエピソードを明かしたtoku。鈴木は、以前にtokuが作曲、メイリア(MARiA)が作詞をした「My Days」を歌ったことがある。「『My Days』とは真逆の曲で、“こういう曲も歌ってみたら?”と言ってもらえたみたいでうれしかったです」と、アルバムに参加した気持ちを話した。クールさの中にパッションがたぎるような「青い薔薇」は、会場の落ち着いた雰囲気にもぴったり。元気で明るいいつもの鈴木このみとは違った、しっとりとした大人のムードで新たな一面を見せてくれた。
GARNiDELiA「SPiCa」カバーも披露したやなぎなぎ
イエロー系のドレスを身にまとって登場したやなぎなぎ。tokuのアルバム『bouquet』が、10人のボーカリストを花に見立てて制作されていることから、この日は、自身の楽曲の中から植物や花に関連した楽曲を選曲したとのこと。
アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』オープニングテーマ「ユキトキ」は、歌詞に〈アザレア〉が出てくる。疾走感のある爽やかな楽曲で、春を迎える時のような、ワクワクとした希望感が会場に満ちあふれた。「三つ葉の結びめ」は、ハイトーンで歌い上げるサビのメロディが実に美しい。やなぎと観客が、手を左右に揺らして楽曲を楽しんだ。
また、GARNiDELiAの「SPiCa」をカバーしたのは、ファンにはうれしかっただろう。今から10年以上前に発表されたtokuの原点的な1曲が、この日はレゲエ調になるという意外性あふれるアレンジ。やなぎの透明感ある歌声は、MARiAとはまた違った趣が感じられ、この貴重な瞬間を聴き漏らすまいと、観客はジッと聴き耳を立てるようにして歌声に心酔した。
最後には、『bouquet』でやなぎが歌った「Coreopsis」を披露。「やなぎさんはトラックも作られる方なので、僕のデモを聴いたら“ケンカを売ってる”って思われるんじゃないかと冷や冷やしたけど(笑)、快く引き受けてくださってうれしかったです(toku)」、「この曲は自分にすごくしっくりきて、作詞がめちゃめちゃ進みました(やなぎ)」と、エピソードを話した2人。少しトリッキーなリズムが独特で、やなぎの澄んだボーカルが映えるメロディが印象的な1曲。ちなみにタイトルの「Coreopsis」は、キク科の花の名前だ。