堂本光一、エンターテインメントへのひたむきな姿勢 ソロアルバム『PLAYFUL』からも垣間見える思い

 本日6月2日、堂本光一(KOICHI DOMOTO)の6年ぶりのソロアルバム『PLAYFUL』がリリースされた。今作は「ファイナルファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズなど、世界的に知られる人気ゲームを制作してきたSQUARE ENIXとのコラボレーションが実現したこともあり、リリース前から注目を集めていた作品だ。

 音数を最低限に抑え、奥行きのあるサウンドの中で何重にも重ねられたコーラスワークが美しい「Tik Tik Tik」や、ミュージカルテイストなボーカルワークと前向きな歌詞が楽しい「Day By Day」、さらに「V」は壮大なインストゥルメンタル楽曲となっているなど、今作は非常に多彩な楽曲が揃った作品。トラックの多彩さはもちろんだが、それぞれの楽曲の中でまったく違った表情を見せる堂本のボーカルには目を見張る。まるで、それぞれ違った物語の中に自在に姿を変えて現れ、その主人公を完璧に演じ上げているようだ。

KOICHI DOMOTO Tik Tik Tik  from「PLAYFUL」
KOICHI DOMOTO V Short Movie from「PLAYFUL」

 堂本と言えば、音楽活動だけでなく舞台俳優としても様々な注目作品に出演し続けているが、中でも代表作と言えるのはやはり『SHOCK』シリーズだろう。20年もの間座長としてカンパニーを牽引し、演出などにも携わってきた今作は、堂本のソロ活動におけるマスターピースと言っても過言ではない。

 昨年2月には東京・帝国劇場にて上演されていた『Endless SHOCK 20th Anniversary』が新型コロナウイルス感染拡大の防止のため一部公演が中止となってしまったが、今年2月よりスピンオフ作品『Endless SHOCK -Eternal-』が上演された。2月12日に通算1800回公演を迎えた際には、堂本は「常々“今、何ができるか”ということを模索しなきゃいけないし、これからもそうでありたい」と語っている(※1)。

 舞台俳優として、そしてライブが思うようにできないという点においても苦悩の年となったであろう昨年だが、堂本はその溢れるサービス精神でファンを楽しませ続けてくれた。中でも注目を集めたのは、YouTubeでの遊び心溢れる表現の数々だろう。KinKi Kidsとしての代表曲「愛のかたまり」の替え歌「家のかたまり」は、ステイホームを強いられた緊急事態宣言下において、心の癒しとなったというファンも少なくないはずだ。

Smile Up ! Project 〜家のかたまり〜 堂本光一

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