神宿、2020年の挑戦から生まれた“変化”への手応え 過去最大規模の全国ツアーに対する思いも

神宿が語る、“変化”の手応え

 2021年3月31日に配信シングル「FANTASTIC GIRL」をリリースし、4月3日からライブツアー『KAMIYADO THIS IS THE DREAM TOUR』を開催するなど、精力的な活動を繰り広げる神宿。同ライブツアーは全国23カ所44公演(昼夜2部公演含む)の過去最長ツアーとなるが、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、やむなく一部公演の開催を見送っている。

神宿 KAMIYADO「FANTASTIC GIRL 」MV

 ファッション誌『NYLON JAPAN』がアートワークとMVのルックをディレクションする「FANTASTIC GIRL」は、楽曲制作に海外のクリエイターを招き、作詞には塩見きらが参加。ビジュアルや音楽面での挑戦を重ねた2020年を経て、そこで作り上げたグループカラーの広がりを感じる仕上がりに。インタビューでは、取材時点(4月中旬)で8公演を終えた『KAMIYADO THIS IS THE DREAM TOUR』の振り返りをはじめ、SNSやYouTubeを通じてのファンとのコミュニケーションやセルフプロデュースへの考え方、アイドルとしてのこれからについて話を聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

「ライブでしか伝えられないことがある」(羽島みき)

神宿
神宿

ーー7月4日まで続く新たな全国ツアー『KAMIYADO THIS IS THE DREAM TOUR』が、4月3日に名古屋からスタートしました。北は北海道から南は沖縄まで、20公演以上におよぶ過去最長のツアーなんですよね。4月だけでも8公演行いましたが、手応えはいかがですか?

羽島みき(以下、みき):私たちはもう7年活動してきたので、地方でライブをするというのは全国にいる舁夫さんたちに感謝の気持ちを伝えに会いに行くという気持ちがすごく強くて。皆さんも私たちのことを待っていてくれるので、すごくありがたいなと思いながらツアーを回らせていただいています。

羽島めい(以下、めい):最近はツアーをやるたびに、新しいファンの方が増えていることを感じるんですが、特に今回のツアーではそういった方が目立つというか。新しくファンになってくださった方はSNSで神宿の推しアカを作ってくださっていて、「これからも応援していきます!」みたいな発信力のある方達が増えたことも感じます。中でも、お友達がお友達を呼ぶみたいな感じで、神宿のライブに仲間を連れて来てくださる方が多くて、すごくうれしいですね。

羽島みき

ーー実際、ライブ中に「今日は新しいファンの方が多いな?」と感じるものですか?

めい:はい。ライブをしていて、見たことがない人とか「あ、前にも来たことあるこの人だな」というのは、1回のライブで覚えたりするものなんです……あ、ほかのメンバーはどうかわからないですけど(笑)。

みき:まあ、認知の仕方は人それぞれだね(笑)。あとは最近、お見送り会という形で特典会をやらせていただいているんですけど、そのときに「今日初めてライブに来ました」とかボードを作ってメッセージを伝えてくださる舁夫さんも増えまして。そういうところで「ああ、初めてなんだ」とか「毎回来てくださる方なんだな」と、認識できるのもありますね。

ーーそういうお話を聞くと、2020年を通じて地道にやってきたことがひとつずつ結果を出している気がしますよね。

みき:そうですね。SNSだけだと伝えきれない部分もあるので、いろいろ制限はされているけど、舁夫さんたちのことをこれだけ思っているよというのはライブでしか伝えられないと思うんですよね。アイドルはやっぱりライブを通してファンの人との絆が深めていくものだと思うので、厳しい状況でも私たちはそこを貫いていきたいですし。

一ノ瀬みか(以下、一ノ瀬):あと、今回のツアーで一番感じることは、女の子のお客さんが増えたこと。特典会のときも女の子が多いなと感じますし、みんなすごく積極的に私たちのことを発信してくれるんですよね。

小山ひな(以下、小山):確かに。最初は1割いるかいないかだったけどね。

塩見きら(以下、塩見):アイドル現場ってそういう雰囲気が当たり前でしたし。

小山:でも、今は女の子が半分以上のときもありますし。みんなオシャレして来てくれるんです。

一ノ瀬:可愛いよね。さらに、女の子のお客さんが増えてくると、元からいる男性ファンの方たちも、心なしかちょっとオシャレになってきていて。それって私たちの力だけではできないことだと思うんですよ。

みき:しかも最近は、男性ファンも女性ファンもライブを通じて仲良くなってくれて、現場の雰囲気がすごく心地よくて。そこでひとつになれているなと、すごく実感しますね。今まではコールとかで会場がひとつになる感覚があったかもしれないけど、今は別の形での一体感ができているんじゃないかな。

羽島みき

ーーこれがここ1年くらいで、より顕著になってきたと。そう考えると、今は2020年の活動で蒔いた種が芽を出し始めているところなんでしょうね。

めい:そうですね。ステイホーム期間中のYouTube更新も結構響いていたみたいで、あれを観たのがきっかけで、今年のツアーに初めて来たという方も実際にいるんです。そう聞くと、「やっていてよかったな」と強く実感しますね。

塩見:今、ライブに来てくれている新規の方たちの多くが「ちょうど1年前に神宿と出会ったんだよ」と言ってくださるんですが、ということはコロナ禍に好きになってくれたんですよね。みんなが家で何もできなくてつらい状況が続く中、私たちが「ライブをやります」と言って全国各地を飛び回ることは、正直これが正解なのかわからなかった。だって、私たちがライブをすることでみんなが集まって、何が起こるかわからない状況だったから。それでも私たちがファンの方を信じて、自分たちを信じてずっとやってきた結果が今なら、やってよかったなと思うんです。種蒔きってすごくいい表現ですよね。ここから先、世界が明るくなったときに「神宿はずっと頑張ってきたよね」と言ってもらえたら、そこでようやくその種が実ったと言えるんじゃないかな。なので、そこに向けて今は頑張っているところです。

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