神宿、2020年の挑戦から生まれた“変化”への手応え 過去最大規模の全国ツアーに対する思いも

神宿が語る、“変化”の手応え

「お揃いのファッションをしてくれる女の子が増えた」(羽島めい)

羽島めい

ーー先日、柳瀬さんとのインタビューで「アイドルとSNS」をテーマにお話を伺ったんですが、特にこのコロナ禍以降、皆さんもSNSの重要性を再認識したのではないかと思います。

一ノ瀬:そうですね。でも、SNSってだんだんと世界が広がっているようで、実は狭まっているような気もしていて。使う人は増えているけど、そのぶん「どれくらいの人が私のことを本当に好きな人なんだろう?」とか「このフォロワーさんの中で、どのぐらいの人が私の歌声を聴いたことがあるんだろう?」と考えると、難しいなと思うこともありました。そういうときにCHIPというファンクラブサービスが始まって。TwitterやInstragramと違って、料金を払って観ていただく形なので、通常のSNSではつぶやきにくいような、自分の本心とか何気ないことを書くことで、ファンの方とちゃんとコミュニケーションを取れていることをより実感できるようになりました。

みき:私はもともとSNSが苦手なんです。Twitterってすぐにつぶやけるじゃないですか。だからといって、私は自分のプライベートのことはあまり呟いたことがなくて。そんな中で、「おはみーにゃん」が毎日の日課になっているんですけど(笑)、みんな「そこから1日が始まる」と言ってくださるんですよ。

一ノ瀬:でも、たまに夕方につぶやいていることもあるよね?(笑)

みき:午前中つぶやくのを忘れてしまって、夕方になることもあるんですけど(笑)、Twitterは告知以外にはそれだけでもいいかなと思っているんですね。あと、Instagramもインスタ映えするようなところには全然行かないし、写真を撮るのも下手だから、料理の写真が多くなってしまうんですよ(苦笑)。CHIPでは、ブログを書こうにも文章力が全然ないので、動画を自分で編集して載せるとファンの皆さんが喜んでくれる。そっちのほうが自分には向いているなと思うので、そっちを頑張るようにしています。

小山:私はTwitterでは神宿の活動のこと、CHIPはSNSでは言いづらいマイナス思考なこととか、私のことを好きじゃないと受け入れてくれないようなことを書き連ねています。で、インスタでは「この人、何をやっている人なんだろう?」って思うぐらい、ずっと遊んでいる写真しか上げていなくて(笑)。そういう形で、私は完全に使い分けていますね。

羽島めい

めい:私はインスタでは自分のイメチェン写真が多くて。例えば、ウルフカットにしたら「#ウルフカット」とハッシュタグを付けて載せたりしています。洋服も載せることが多くて、タグ付けでどこのブランドか伝えるようにするんです。そうすると、載せたあとの現場やイベントに同じブランドの同じものを着てくる女性ファンの方が多くて。女の子が真似したいなと思ってもらえるようなものを、頑張って載せています(笑)。

みき:でも、うれしいでしょ、実際に現場に来ておそろいの洋服で来てくれると。可愛いなって思うよね。

めい:そうなんです。お揃いのファッションとか髪型をしてくれる女の子ファンがすごく増えた気がします。

小山:最近、新しいアカウントも作ったしね。

めい:ああ、そうです。私、最近チワワを飼い始めて、その子のアカウントを作ったんですけど、いろんな犬のアイコンの方から「いいね」が来ます(笑)。(https://www.instagram.com/meru_kmyd/)

塩見:今、4人の話を聞いていると、それぞれスタイルが違うことがわかると思うんですけど、神宿は「こうしましょう」とか「こうしてください」というルールがあまりなくて。みんなが自分の個性を出すために、やりたいようにSNSを活用しているというのは、神宿に入って特に感じたことなんです。でも、やりたいようにやってSNSでバズったからといって、ライブの集客がめちゃくちゃ上がるとも思っていないし、意識的にバズらせようともしていない。それこそ柳瀬さんともよく話しているんですけど、世の中の情勢が大変になって、みんなが何かにすがりたくなっているときって、誰かリーダーみたいな人がいたらその人について行きたくなって、バズが起こりやすくなると思うんです。特にここ1年はSNSがそんな感じだから、本質的なものがないとずっとついてきてはくれないと思っているので、そこは強く意識していますね。

「『FANTASTIC GIRL』は歌い方を結構変えた」(小山ひな)

小山ひな

ーーここからは3月31日に配信された新曲「FANTASTIC GIRL」について、話を聞かせてください。グループの新曲としては昨年秋のアルバム『THE LIFE OF IDOL』以来半年ぶりとなりますが、昨年からの良い流れを汲んだ1曲だと思います。

一ノ瀬:スウェーデンの方が楽曲制作に携わっているんですが、最初にいただいたデモは全部英語詞だったんです。それもあって、すごく耳障りが良かったんですが、そこから塩見が日本語の歌詞を書いてくれて、さらにしっくりくる曲になったなと感じました。

塩見:実は、英詞を日本語に書き換えるのが難しくて。やっぱり英語のリズム感っていうのがあるんですよね。日本語は結構のっぺりしちゃうから、元からあった素晴らしいものをさらに日本語詞として耳障りの良いものにするのが難しくて、かなり苦戦しました。

一ノ瀬:ギリギリまで歌い回しも変わったもんね。

塩見:私が書いた歌詞で宅録したデモをみんなに送って、それを覚えてきてもらったのに、レコーディングスタジオで「ここ変わります!」と。その場で歌って聴かせるんですが、「え、もう一回お願い!」みたいなやり取りがあって(苦笑)。でも、みんなは何年もレコーディングを経験してきた実力があるから対応できるわけで、普通だったらできないと思いますよ。

一ノ瀬:特に、ひながすごかったんですよ。「ここ変えて」とディレクションをしてくださる方に一度歌ってもらうと、それを聴いたひなは一発で歌えるんです。

小山:やめてーっ、すごく恥ずかしい……(苦笑)。

みき:送られてきたデモも、ひなは数回聴いただけで覚えるんですよ。だから、レコーディング現場でもパッと聴いて、パッと歌えちゃう。自分だったらきっと1時間くらいかかるから(笑)。

めい:めちゃめちゃカッコいい。

小山:ありがとうございます、もう満足です(笑)。でも私、この曲は難しかったですよ。あまり滑舌がよくないので、英語詞を歌うのも難しかったし。

一ノ瀬:マジ? ガンガン歌ってたじゃん!

めい:私、ひなの英語のところが好きなんよ。ありえんくらい発音が良くて、二度見したから(笑)。

小山:そうやって褒めてもらえるなら、やってよかったなと思います(苦笑)。でも、この曲では歌い方を結構変えていて。私は普段クセが強い歌い方をするので、この曲ではもっと大人っぽく歌ってみようと、クセを抑えて歌ったんです。そこが私的には難しかったなと感じています。

ーークセを抑えたのもあってか、サビで5人一緒に歌うパートではいつも以上に統一感が感じられて、気持ちよく響きましたよ。めいさんはこの曲のレコーディング、いかがでしたか?

めい:私はラップパートを担当したんですが、同じように英語パートが多くて。結構難しかったんですけど、聴いた皆さんからは「英語、めちゃくちゃいいね!」と言われて、ちょっと驚きました。なんでだろう?と考えたんですけど……そういえば、高校の2年から3年生にかけての担任が、英語の先生だったなと思って。

小山:え、そこ?(笑)

一ノ瀬:何か特別にやってきたことがあったのかと思った(笑)。

めい:みんな同じように授業受けてたから、それが影響しているのかはわからんけど、はい、そんな感じです(笑)。

みき:オチなしで終わっちゃった(笑)。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる