神宿 小山ひなが語る、劣等感や自己否定から生まれる強さ「自信を持って自分に満足しちゃうことも怖い」

神宿 小山ひなが語る、アイドルとしての6年

 2020年は、神宿にとって大きな変化と挑戦の年だった。2020年1月に3枚のベストアルバムをリリースして以降、2020年4月「在ルモノシラズ」からはじまり、グループ初のユニット曲や羽島めいのソロ曲などを連続配信。“かわいい”“元気”といった既存のグループ像を音楽性やビジュアルを含めて刷新し、各メンバーの個性を尊重した新しい表現が最新アルバム『THE LIFE OF IDOL』と言える。

 2019年に結成5周年を迎え、結成当時10代だったメンバーも大人へと成長する中で、“自分らしさの発露”や“憧れの追求”は必然的だったようにも思う。それぞれがアイドルという職業と向き合い、そこで出た答えを実践していく姿には、まだまだ発展途上だという伸び代しか感じられない。

 リアルサウンドでは、これまで一ノ瀬みか、塩見きら、羽島みき、羽島めいと4名にソロインタビュー。そして今回、インタビューのラストを飾るのは小山ひな。自分のことは「自信がない」「先頭に出るタイプではない」と話しながらも、メンバーやファン、歌に対しては人一倍の情熱を覗かせる小山に、アイドルとしての6年間を振り返ってもらった。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

その「もうちょっと」が、気づけば6年過ぎていました

神宿 小山ひな
神宿 小山ひな

ーーリアルサウンドではこの春から、神宿のメンバーにおひとりずつインタビューを行ってきましたが、小山さんで5人目となります。改めて、本当にそれぞれキャラクターが異なるグループですね。

小山ひな(以下、小山):そうですね。キャラが被らないほうがいろんな違った良さが出せるので、全然違ってよかったです。

ーー小山さんは周りとの個性の被りとか、意識するほうなんですか?

小山:個人的に、似ている系統の子には自分が負けていると劣等感を覚えてしまうから、なるべく見ないようにしていて。だから、違う系統の可愛さ、綺麗さの子のほうが惹かれることが多いんです。

ーー比べすぎちゃうんでしょうか。だとすると、10人以上いるような大所帯のグループだと……。

小山:絶対に似たタイプの子がいると思うから、負けちゃうと思う。

ーーそこで「私、負けない!」という感じではないんですね?

小山:あんまりそういう感じじゃないですね。基本的には表に出ることがあまり得意じゃなかったから……なのに、なんでアイドルになったのかなという(笑)。

ーーそうですよね。では、神宿のメンバーになる前は、アイドルにどういうイメージを持っていましたか?

小山:私、全然アイドルのことに詳しくなくて。本当にAKB48さんとかテレビに出ている人しか知らなかったので、大人数というイメージだったかな。

ーー「自分もアイドルになりたい」みたいなことは?

小山:まったくなかったですね。長野に住んでいたのもあって、周りには田んぼしかなかったし(笑)、芸能界とは縁がなかったから。

ーー日常生活とはかけ離れた、あくまでテレビの中の世界という。でも、それが気づけば神宿の一員として7年目に入っているわけです。

小山:ふふふ。こんなに続くとは思ってなかったです。

ーー例えば、アイドルになることでそれまでの自分を変えてみたいという気持ちが、どこかにあったんでしょうか?

小山:私、本当に人前で喋れなくて、当時はまだ子供だったからいいけど、「これから先どうするの?」みたいな感じでママにも言われていて。17歳のときにスカウトされたんですけど、17歳って私の中でいろいろギリギリの年齢だなと思っていたんです。それに、ママからも「最後のチャンスだからやってみてもいいんじゃない? それで自分に自信が持てるようになったらいいんじゃない?」と言われて、決心したのもありました。

ーー6年続けてみて、自分に自信を持てるようになりました?

小山:やっぱり、普通に生きているよりも可愛い子とか綺麗な子とかを見る機会が増えるじゃないですか。それを考えると、まだまだ自信はないです(苦笑)。

ーーでも、そういう環境の中で6年も続けるとなると、何かモチベーションになるものがないとここまで来られなかったと思うんですが。

小山:それは、私がどんなに自分に自信がなくて、自分のことを嫌いだって言っても、ファンの方が「ひなちゃんは可愛いから大丈夫だよ。ひなちゃん今日も可愛い、生きてるだけで偉いよ!」とずっと言ってくれたからですね。

ーー今その人たちのためにも頑張ろうと?

小山:はい。私が自分で認めてあげられない部分も認めてくれるから、もうちょっとだけ頑張ろうって。その「もうちょっと」が、気づけば6年過ぎていました。

ーーアイドルに対するイメージというのも、実際に自分が当事者になったこともそうだし、周りにアイドルがいる環境になったことでも、ずいぶん変わったんじゃないでしょうか?

小山:まず、地下アイドルというものを知らなかったし、いろんなライブハウスで対バンをすることも初めてだったし。でも、何も知らないまま始めたから、こういうものなんだという受け入れは早くて。

ーー予備知識がないぶん、これが当たり前なんだと。そういうことをすんなり受け入れられるタイプなんですか?

小山:基本的に流れに身を任せるタイプかもしれないです(笑)。でも、もともと歌が好きだったので、歌えることができて楽しかったですよ。

ーーちなみに、どういう曲を歌うのが好きなんですか?

小山:あんまり速いテンポの曲は、滑舌が悪いから苦手なので、基本バラードが好きですね。一番歌いやすいのは松田聖子さんの曲。昭和の曲は歌うのが好きです。

ーーそれはご両親の影響とか?

小山:ママが家でもそういう曲をよく聴いていたから、その世代の曲が一番歌いやすいし好きかなと思います。

ーーでは、歌うのも聴くのもそういう歌謡曲が好き?

小山:今は頑張って最近の曲を聴くようにしています。流行りに乗らなきゃって(笑)。

ーーなるほど(笑)。神宿に入る前は、人に歌を聴かせたりしたことは?

小山:親戚の結婚式で歌うとかくらいでした。逆に、友達とカラオケに行っても、恥ずかしくてあんまり歌いたくないみたいな(笑)。

ーーそれがいきなり数十人、数百人という、まったく知らない人の前で歌うという形で、一気にハードルが上がるわけです。

小山:人前に立つのが苦手なのに、どんどん自分でハードル上げてっちゃって(笑)。

ーー今回リリースされるアルバムのタイトルが『THE LIFE OF IDOL』、“アイドルの人生”という意味です。それもあって、小山さんのこれまでのお話を伺ってきたんですが、また特殊なアイドル人生を送ってきましたね。

小山:ふふふふ、そうですね(笑)。

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