ReoNaが必要としてくれる人達に向けて歌った18曲 過去と現在地を示した『unknown』ツアー最終公演
「始まりがあるから、今(現在)がある。大切なお歌を最後にお届けします。私にとっての出逢えた“あなた”はお歌でした。これまでもこれからも……」。ラストに歌ったのは「SWEET HURT」から繋がる「ピルグリム -ReoNa ver.-」。〈ここじゃないAnywhere 片道の切符(パス)を握りしめていこう Forever long〉と歌う希望の言葉は、暗く長いトンネルを歩き続けた少女が、音楽という光の差し込む出口を見つけたような、まさにフィナーレを飾るのにピッタリの曲だった。こうして、ReoNaの過去と現在地を示す18ピースのパズルが完成した。
ライブの終演を伝える照明がつくと、観客から彼女に大きな拍手が送られた。ReoNaはステージの隅々まで歩き、右、左、中央と客席に向かってお辞儀をしたあと、晴れやかな表情を浮かべていた。そしてステージから去る瞬間、彼女は客席の後方に何かを見つけたのか、視線の先に向かって手を振り、声には出さなかったが「見守ってくれて、ありがとう」と言ったような気がした――もしかしたら、そこには少女だったReoNa自身がいたのかもしれない。
■真貝 聡
インタビュアー兼ライター。映画・TV▶ PEDRO『SKYFISH GIRL -THE MOVIE-』(2021年)/Mrs. GREEN APPLE『~Review of エデンの園~』(2020年)/BiSH『SHAPE OF LOVE』(2018年)/MOROHA『其ノ灯、暮ラシ』(2017年)などにインタビュアーで参加。ラジオ▶︎奇妙礼太郎とSundayカミデのインターネットラジオ『水曜モニカ』で出演・構成を担当。