YUKI、海外クリエイターも名を連ねた新作がチャート好調 “歌の存在感”が聴きどころに

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2021-05-10/

 2021年5月10日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはENHYPENの2ndミニアルバム『BORDER:CARNIVAL』で、推定売上枚数は83,218枚。K-POP期待のニューカマーが勢いを見せた。続く2位はYUKIの2年2カ月ぶりとなるニューアルバム『Terminal』(16,322枚)。以下トップ10内の初登場は、4位 楠木ともり『Forced Shutdown』(10,033枚)、5位 Girls²『Girls Revolution / Party Time!』(9,183枚)、6位 Novelbright『開幕宣言』(8,611枚)、7位 くるり『天才の愛』(7,917枚)、9位 GLAY『ONE LOVE Anthology』(6,757枚)、10位 田村ゆかり『あいことば。』(6,445枚)だった。

YUKI New Album『Terminal』Teaser Movie
YUKI『Terminal』

 さて、今回取り上げたいのはYUKI『Terminal』。本人のオリジナルアルバムとしては2年ぶりとはいえ、2020年にはChara+YUKIとしてCharaとのコラボレーション作品『echo』を発表していたこともあって、むしろアクティブな印象さえある。『echo』が思い切ったエレクトロニックなサウンドで彩られていたのに対して、『Terminal』はバラエティに富んだポップソングが並ぶ一作だ。

 前作『forme』まで、そのチョイスに変化はあれど主に日本を拠点にするクリエイターと仕事をしてきたYUKIだが、本作にはヨーロッパや韓国を拠点とするクリエイターの名前も並ぶ。さらに一曲に複数名が作曲としてクレジットされているのも見受けられる。昨今ではこうしたコライティング的な楽曲制作も珍しくないし、実際参加しているクリエイター陣は日本での仕事もすでに多くこなしてきた者が多い。けれども、YUKIもそういうことをするのか、と意外に思った。前作で多彩な(豪華と言ってもいいだろう。細野晴臣まで参加していたし)クリエイターをフィーチャーしてきたことの延長線上、と捉えるべきだろうか。

 それが功を奏しているかというとよくわからない。正直、一聴したところでは、あまり面白いとは思えなかった。繰り返し聴けば聴くほど、ポップアルバムとしては申し分ない、むしろクオリティの高い作品だという思いは強まるし、好きな作品ではある。けれども、なんだかつるっとして掴みどころに欠ける。あるいは「good girl」のイントロで鳴り響くサックスとか、「ご・く・ら・く terminal」の律儀に空間を埋めるベースや仰々しいブラスヒットとか、あんまりしっくり来ないポイントもいろいろとある。統一された世界観のなかで、はっきりと意志を持って鳴らされればまたガラッと印象は変わるのだろうが、ガチガチにコンセプチュアルというわけでもないこのアルバムのなかではうまく機能していないように思う。

 しかし、本作で期待を裏切らないことがひとつある。全曲の作詞を担い、メロディを解釈しながら言葉を紡いで歌っていくYUKIの存在感だ。

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