Chara+YUKI、“無敵のふたり”が鳴らす音楽ならではの魅力 自由で刺激的な『echo』から紐解く

Chara+YUKI、“無敵のふたり”が鳴らす音楽ならではの魅力 自由で刺激的な『echo』から紐解く

 1999年に「愛の火 3つ オレンジ」をリリースして以来となるChara+YUKIの20年ぶりの再始動というニュースはたちまち話題となり、2月14日にリリースされたミニアルバム『echo』に先がけて配信されたシングル曲「楽しい蹴伸び」では、ふたりの遊び心に満ちた甘いハーモニーを軽やかに踊れるアーバンポップに乗せて、その期待に大きく応えてくれた。そして『echo』はこの20年、共にポップの最前線でクリエイティブな活動を続けてきたCharaとYUKIによる奇跡的なコラボから生まれた音楽の尊さと、ふたりのミュージシャンとして響き合う関係性が聴こえてくる、実に自由で刺激的な作品に仕上がっていた。リリースからちょうど1カ月が経ち、『echo』のサブスク・ストリーミング配信もスタートした今、あらためて2人の音楽の魅力を紐解いてみたい。

 そもそもChara+YUKIというふたりの活動が始まった1999年。Charaはすでに1991年のデビューからソロアーティストとして、作詞・作曲のみならずアレンジやサウンドプロデュースにいたるまで携わりながら「やさしい気持ち」(1997年)などのヒット曲を次々と生み出し、YEN TOWN BAND名義の活動でも注目を集めていた。一方、YUKIは1993年にJUDY AND MARYのボーカリストとしてメジャーデビューし、日本を代表するロックバンドのポップアイコンとして活動してきた。しかし1999年当時はJUDY AND MARYが活動休止期間に入っており、そんな中でYUKIはバンド以外の表現の場として佐久間正英やB-52’sのケイト・ピアソンらと組んだNinaや、Chara+YUKIを結成。2001年には、CharaとYUKIがツインドラムというユニークな編成でのバンド、Mean Machineの活動もあった。YUKIは2002年から本格的なソロ活動を始めるが、それまでバンド経験しかなかった彼女は当時を振り返って「ソロになる前にMean MachineやChara+YUKIをやったんですけど、そのレコーディングやミックスの現場でCharaから学んだことも多かったです」と語っていた。YUKIはソロの先輩であるCharaの制作現場での振る舞いから様々なことを吸収したようだ。そしてChara+YUKIでは「愛の火 3つオレンジ」という唯一無二の感性で奏で合う、かけがえのない化学反応を生み出しながら、それきり20年の時を経た。

Chara+YUKI 『愛の火 3つ オレンジ』(1999.11.26 Release)

 再びChara+YUKIでの活動が始まるなんて、そんな嬉しいニュースはそれぞれの熱心なファンでさえ夢にも思っていなかっただろう。でも1999年に生まれたあの1曲は序章にすぎなかったのだ。この20年の間に、CharaもYUKIもその時々で自らの心のままに様々な音楽性とアイデアで作品を生み出し活動を続けてきた。ふたりの色んなタイミングと波が上手く重なったのが今、2020年。Charaがアルバム『Baby Bump』をリリースした2018年の年末にインタビューした時、こんな風に語っていたことを思い出す。「今は一周以上まわって、音楽にいつも恋してる無敵な状態。行き詰まるなんて嫌だし、曲作りやクリエイトすることに対してそういう風になっちゃう人はやめちゃいな、と思うくらい(笑)。もちろん崖っぷちに追い込むようなやり方もあると思うんだけど、そうじゃない無敵感が、私に限らず長年やっている人は出るんだと思います」。そしてその後に「YUKIとかもそうでしょう? まだ言えないけど、ちょっと今また一緒にやってるんだよね〜」とチャーミングに笑った(その後、それは翌年2019年2月にリリースされたYUKIのアルバム『forme』でCharaとコラボした「24hours」のことだと判明したが、まさかChara+YUKIにまで発展しているとは!)。YUKIも、メロディを聴いていたら言葉が浮かんですぐに歌詞を書き上げてしまった、なんてエピソードをインタビューでよく語っているし、そんな風に音楽を楽しみ続けるYUKIのことをCharaも同じミュージシャンとしてシンパシーを感じ、信頼しているのだろう。

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