J-POP×インドモチーフはなぜ相性がいい? ゆず、ラストアイドルの楽曲&MVを機に考察

 “物語のはじまり”を感じさせる前奏、シタールの音色、タブラが刻む音、独特の音階。ボリウッド映画を彷彿とさせる派手なアートワーク、色とりどりの衣装……。モーニング娘。「恋のダンスサイト」(2000年)、平井堅「ソレデモシタイ」(2014年)など、これまでたびたびJ-POPに取り入れられてきたインドを感じさせるモチーフ。クセになるサウンドと自由な世界観は、不思議なほどJ-POPと融合し、受け入れられ、ヒットしてきた。

モーニング娘。 『恋のダンスサイト』 (MV)
平井 堅 『ソレデモシタイ MUSIC VIDEO (YouTube ver.)』

 元気のない時代にこそ、そういったインドモチーフが取り入れられる傾向にあるようにも感じる。本稿では、インドモチーフを取り入れた話題曲の魅力に触れつつ、J-POPとの相性や楽曲が持つエネルギー、愛される理由について考察したい。

ボリウッド映画風からコラージュまで……ユニークでインパクト大なMVも

ラストアイドル『君は何キャラット?』(WEB盤)
ラストアイドル『君は何キャラット?』(WEB盤)

 4月28日にリリースされたラストアイドルの10thシングル曲「君は何キャラット?」。きらびやかな衣装を身にまとったメンバー総勢36名が舞うMVは、まるでボリウッド映画のクライマックス。高難易度ながら、思わず真似をしたくなる振り付けも印象的だ。

 同曲のセンター・西村歩乃華が扮するヒロインの相手役には霜降り明星・せいやが出演。実に良い味を出している。派手なデコトラやたくさんの電飾、トゥクトゥクなど、隅々まで“インド風味”にこだわったMVは、目が足りないほど楽しい。

【MV】ラストアイドル「君は何キャラット?」【2021.04.28 Release】

 メロディには歌謡曲のテイストも感じられ、どこか懐かしさがある。この曲をきっかけに、ラストアイドルの存在がより一層、幅広く知られることに期待したいし、そうなり得るインパクトとパワーを持つ作品である。

 4月6日に公開されたゆずの「イマサラ」のMVもまた、“いかにも”なインドモチーフをガツンと押し出した世界観が話題になっている。90年代ごろを思い出す粗い映像演出に、ノスタルジーを感じる者も少なくない。あるいは2021年現在、むしろ新鮮に映るのかもしれない。

 昨年3月にリリースした最新アルバム『YUZUTOWN』のなかでも異彩を放っていた同曲。歌詞にはインドにちなんだワードが散りばめられ、エスニックテイストをベースにロックありラップありダンスありと、もはや何でもあり。一度聴いたら、そう簡単には耳を離れないクセ曲だ。それでいて、クールとポップが両立し、かっこ良さも感じられるのだから不思議だ。

ゆず「イマサラ」Music Video

 数々の名曲を世に生み出す一方、ゆずは時折、思いがけない変化球でファンを驚かせ、楽しませる。その遊び心とチャレンジ精神もまた、リスナーの心を掴んで離さない理由のひとつであろう。

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