MA55IVE THE RAMPAGE、FANTASTIC6......存在感を増す“Jr.EXILE派生ユニット”

 「Jr.EXILE」世代の各グループから生まれた派生ユニットが、その存在感を増している。一つはTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE(以下、THE RAMPAGE)のパフォーマー達によるヒップホップユニット MA55IVE THE RAMPAGE、もう一つはFANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)の冠番組から生まれたFANTASTIC6だ。

ディープなヒップホップを追求し続けるMA55IVE THE RAMPAGE

 THE RAMPAGEのパフォーマー5人(LIKIYA、神谷健太、山本彰吾、浦川翔平、鈴木昂秀)からなるMA55IVE THE RAMPAGEは、ホールツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2017-2018 “GO ON THE RAMPAGE”』にて原型となるパフォーマンスがあり、のちに5人ユニットとして正式に結成。その後は地道に楽曲制作に取り組み、2020年に満を持して配信シングル「Determined」「No.1」をリリースし、配信番組への単独出演も経験するなど、Jr.EXILEの中でもひときわ独自性の高い活動を行っているユニットである。

MA55IVE THE RAMPAGE / No.1<Performance Movie>
MA55IVE THE RAMPAGE「No.1」

 グループの中でも特にヒップホップに対する造詣が深い5人のセンスは楽曲にも反映されており、不穏なメロディとアグレッシブなリリック、深く鋭い音像を作るシンセなど、彼らが愛聴するトラップやドリルミュージックのテイストが強い。各人のフロウの個性もライブを重ねる毎に際立ってきており、迫力ある低音ボイスで支柱となるLIKIYA、中低音~中音域を歌唱力と表現力でカバーする神谷と鈴木、特に個性が強くエモーショナルな中高音が山本と浦川、といった印象だ。また、映像編集を得意とする鈴木が制作したリリックビデオに代表されるように、各メンバーの得意分野が楽曲制作やパフォーマンスに生かされているという点も、彼らの独自性の所以である。

 近年、特に2020年以降のTHE RAMPAGEの音楽性は非常に幅広いものとなっているが、それに対しMA55IVE THE RAMPAGEがディープな音楽性を保持したヒップホップを追求し続けていることは、グループ全体に様々な好影響を与えている。その象徴の一つと言えるのが、『REBOOT』収録の「SILVER RAIN」だ。THE RAMPAGEの楽曲において初めてMA55IVE THE RAMPAGEのラップパートを取り入れた同曲は、アルバム表題曲としてだけでなく、これまでのグループの歩みを刻んだターニングポイントとして重要な一曲となった。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / SILVER RAIN (MUSIC VIDEO)

 なお、4月14日、15日に開催されたホールツアー『THE RAMPAGE PROLOGUE LIVE TOUR 2021 "REBOOT" ~WAY TO THE GLORY~』の東京公演では、MA55IVE THE RAMPAGEの最新曲「Drip Drop」が初披露された。リリースに関しては未発表だが、グループと並行した活動の中で相乗的に影響し合う両者の展開に注目だ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる