大塚紗英、小雨降る横浜で見せた覚悟と決意 志崎樺音も駆けつけたワンマンライブレポ

大塚紗英、小雨降る横浜で見せた覚悟と決意 志崎樺音も駆けつけたワンマンライブレポ

 昨年2月にミニアルバム『アバンタイトル』でソロデビューを果たした大塚紗英が4月9日、KT Zepp Yokohamaでワンマンライブ『SAE Vo.yage! vol.0 〜出航!〜』を開催した。『アバンタイトル』の収録曲を中心に、7月14日にリリース予定の2ndミニアルバム『スター街道』収録の新曲、ゲストに駆けつけた志崎樺音とのコラボも披露。自由奔放でエモーショナルに全14曲を熱唱し、シンガーソングライターとしての誇りとアイデンティティを集まったファンに知らしめた。

 「今日も今日とて雨ですが、みなさんを『ハロー快晴!』にするためにやって来ました」。彼女が1曲目に選んだのは、進路について悩んでいた高校生時代に作ったという「ハロー快晴!」。さまざまな気持ちを振り切って前向きに進もうとするまっすぐな思いを、疾走感あふれるサウンドと共に観客へとぶつけると、ライブへの期待感で会場が一気に沸き立った。

 序盤は『アバンタイトル』から、アッパーな楽曲を次々と披露した。ハイトーンに展開するキャッチーなサビが印象的な「ドン引きされるほどアイシテル!」。「手拍子できますか!」と大塚が投げかけると、会場には手拍子が広がった。「いっせーのせ!」というかけ声で始まった「フォトンベルト」では、「本日はさえチ号ご乗船ありがとうございます」と船長になりきって歌った大塚。さらに、会場にピンクのペンライトが揺れた「7月のPLAY」では、ベースのメンバーと背中合わせになって歌うなど、お茶目な姿も見せた。

 MCでは、これまでの単独ライブが台風や大雪だったことを思い返しながら、当日が小雨だったことに触れ、「1年3カ月ぶりの単独もめっちゃお天気です!」と笑い飛ばした大塚。有観客でのライブがうれしかったようで、「何より皆さんの顔が見られて、間近に感じられて、それがすごく幸せです」と、この日のステージに立った気持ちを語った。

 大塚は中高生時代から自分で作曲し、彼女の楽曲にはその時々の飾らない気持ちがそのまま封じ込められている。「ピントは永遠に合わない」は、2年前に写真集『Saestain』を発売した時に、シャッター音と桜が散る様子を掛けながら、この世界に入る時の覚悟を書いたとのこと。しっとりとしたピアノをバックに、同曲をエモーショナルに歌い上げると、作った当時の気持ちを思い出したのか、「泣きそうになっちゃった」と照れくさそうに笑った。

 中盤には同じ事務所の後輩で『BanG Dream!』などでも共演する、志崎樺音をゲストに迎えた。普段の大塚は臆病なところがあり、それを見せないようにいつも強がっているそうだが、そんな大塚に志崎が投げかけた「紗英ちゃんはもっと自由に歌ったほうがいい」という言葉がすごく響いたと、自分にとって志崎の存在がどれだけ救いになっているかを語った大塚。

 まず志崎と2人で歌ったのは、昭和歌謡曲風の「マーキング」。志崎のピアノをバックに、切なさをたっぷり込めて1番を大塚が歌い、2番を志崎が、そしてサビは2人で美しいハーモニーを聴かせる。艶のある志崎の歌声と、情感たっぷりの大塚の歌声が混じり合い、会場はレトロな空気に包まれた。歌い終え「自分で言うのもなんだけど、私たちめっちゃ相性がいいと思わない?」と言う大塚に、笑顔で返した志崎。そして、2人でもう1曲「Personality or States?」を披露した。

 

 さらに、7月14日に2ndミニアルバム『スター街道』をリリースすることも発表され、同作からの新曲も披露。どこかアニソンっぽいキャッチーさとインパクトの強さを感じた、新曲「37兆2000億個の細胞全てが叫んでる」。大塚は「みんなが声を出せない代わりに、私が歌います」と言い、観客のストレスを代わりに発散するかのように、早口のメロディをアッパーのサウンドに乗せて、気持ちをぶちまけるように歌う。そして本編は、『アバンタイトル』のリード曲でもある「ぬか漬け」で締めくくった。自分を漬物に例えた歌詞が秀逸で、トリッキーなサウンドも相まってオリジナリティたっぷり。これぞ大塚紗英印だという同曲を、キックしたり寝転んだりしながら自由な動きで歌い上げた。

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