菊地成孔率いるDC/PRGが活動に幕 “最新が最高”を更新したラストライブを見た

 菊地成孔が主宰するDC/PRGが2021年4月2日、東京・新木場 USEN STUDIO COASTでラストライブ『Hey Joe, We’re dismissed now/PARTY 2-TOKYO』を開催した。

 今年2月に突如として“解散声明”を発表。その理由として、第1に“ここ数年は心ならずも、ライブのセットリストも固定化し、元老院(オリジナルメンバー)である坪口、大儀見、津上、を始め、最新のメンバーである秋元修、近藤佑太までも含め、伝統芸能化してきた事は否めない”という現状が、“名人芸化や自己模倣、ブランドの維持を善しとしません”というポリシーに反すること。第2に“合衆国の“他国への空爆と経済の維持”という反復”とリンクしてきたDC/PRGの活動が、合衆国自体の“南北戦争以来の内戦準備状態”への移行により、シフトチェンジせざるを得なかったことを挙げている。(※1)

 最後のツアーは、3月26日に行われた『Hey Joe, We’re dismissed now/PARTY 1-OSAKA』と東京公演の2本。20年以上に渡って常に変化を繰り返してきたバンドらしく、新メンバー・MELRAW(TS/SS)を加えて開催された最後のライブでDC/PRGは、(菊地自身の言葉を借りれば)“最新で最高”なギグを繰り広げた。喧噪、狂乱、興奮、官能が渦巻き、感傷はほとんどなく、3時間踊りまくったあとには圧倒的な解放感だけが残る、圧巻のステージだった。

 この日のスタジオコーストのフロアには、椅子が置かれていた。「これじゃ踊れないないじゃん」という声が聞こえてきそうな状況だった。ライブの冒頭で菊地が「椅子席にすることで入場者数を800人から1000人に増やせたこと」「条例違反の罰金を払うことで演奏時間をキープすること」が告げられた瞬間、オーディエンスの興奮が一気に高まり、「我々は完璧にチューンナップされている。諸君のコンディションはどうかな?」という言葉とともに最後のパーティーは幕を開けた。

 オープニングは「構造 I – 現代呪術の構造」(アルバム『構造と力』)。4拍子と5拍子のポリリズムを軸にした楽曲だが、演奏の解像度がきわめて高く、リズム、アレンジのストラクチャーが明確に体感でき、凄まじい音楽的快楽に体中を貫かれる。さらにメトリックモデュレーションを取り入れながら、バンドメンバーの刺激的なソロ演奏を加え、豊かな高揚感を生み出した「fkA(Franz Kafka’s South Ameriak)」(『フランツ・カフカの南アメリカ』)、1stアルバム『アイアンマウンテン報告』の収録曲で、キャリアを通して進化を続けていた「PLAYMATE AT HANOI」までほぼノンストップで演奏が続き、会場全体がダンスフロアを変貌する(やはり椅子はジャマだったが)。

(※1)https://natalie.mu/music/news/417354