相葉雅紀が引き継いだ“園長”志村けんの想い 『天才!志村どうぶつ園 特別編』に寄せて

『I LOVE みんなのどうぶつ園』での相葉に重なる志村園長の姿

 昨年10月にスタートした『I LOVE みんなのどうぶつ園』は新型コロナウイルスの感染対策を十分に考慮した上でスタジオ収録の形をとらず、レギュラー陣が個別にロケに向かった様子を相葉がモニタリングするスタイル。レギュラーには俳優の藤岡弘、一家、丸山桂里奈、桝太一アナウンサーに加え、相葉の後輩であるジャニーズJr.の那須雄登(美 少年)が参加している。スタジオでの直接レギュラー陣との絡みはないものの、相葉はVTRを見ながら細やかにコメント。出演者はもちろんのこと、動物や飼育に関わる人々の様子を見ながら丁寧にコメントを重ねる様子が印象的だ。番組を見ている人も相葉の言葉に共感したり感心したりしながら、映像を共有しているような気持ちになるのではないだろうか。

 相葉は過去に嵐の中で自分だけにドラマのオファーが来ないことを思い悩んでいた際に、志村から「焦るんじゃないよ。相葉くんには『志村どうぶつ園』があるでしょ。ドラマは3カ月で終わるけど、『志村どうぶつ園』はずっと続くからね」と言葉をかけられ、救われたと話していた。相葉は人の気持ちに寄り添う姿勢を“芸能界の父”と慕う志村から受け継ぎ、レギュラー陣のロケのVTRに実際にスタジオ収録をしているのと同じリアクションやコメントを添えることで、コロナ禍で収録スタイルが制限されている中でも、視聴者の心に響く番組となるよう心がけているように思う。また『志村どうぶつ園』から引き継いだ保護犬にトリミングなどで動物に接する「レスキューコーナー」でも、怯える犬に優しい声かけを忘れず、寄り添う相葉の姿に、愛情たっぷりに動物たちと触れ合ってきた志村の姿を重ね心癒される人も多いのではないだろうか。

 今回の特別編でこれまでの歴史を懐かしく振り返りつつ、今後の『I LOVE みんなのどうぶつ園』での出演者と動物たちとの触れ合いや新たな名場面を見られることを楽しみにしたい。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

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