遊助×N.O.B.B.、「ひまわり」からブレない音楽活動への熱量「もがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくる」

遊助×N.O.B.B.、「ひまわり」からブレない音楽活動への熱量「もがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくる」

アーティストとしてのパワーはどんどん増している(N.O.B.B.)

ーーアルバムの枚数を重ねていく中で、音楽にかける遊助さんの本気度が周知されていった実感もありましたか?

遊助:うん、それはもちろんありました。活動を続けていくと、「こいつどこまでできんねん」っていう見られ方はどんどん減っていきましたからね。でもそれが逆に寂しいというか、ちょっとおもしろくなくなってくるところもあって。世の中のイメージと戦ってたはずなのに、30代中盤くらいからかな、「あれ普通になっちゃったぞ」みたいな感覚になった。自分が思い描いていたものに対して、世の中のイメージがアジャストしすぎてしまったんだと思います。だから今度はそこまでに築き上げた遊助らしさを残しつつ、どう裏切っていくかっていうことに楽しみを見出すようになったんですよね。まぁそこに関してもサプライズすることが当たり前になると、どんなことをやってもサプライズじゃなくなっちゃう難しさはあるんですけど(笑)。

N.O.B.B.:遊助との制作は常にワクワクするものなんですけど、そのワクワクの中身はちょっとずつ変化してきているような気はしますね。1枚目の頃は単純に遊助と一緒に音楽をやれていることに対してのワクワクが強かった気がしていて。でもそれが枚数を重ねていくうちに、「今度はどんな引き出しを開けてくるんだろう」っていうワクワクを毎回感じながらの制作になっていったんですよね。ある程度アルバムを出し続ければ、「もうそろそろネタがなくなるかな」「もがきはじめるかな」ってタイミングが来るものだと思うんですけど、でも遊助の場合は、もちろん要所要所でもがくことはあっても最終的に全く新しい素晴らしい作品を上げてくるんですよね。活動を重ねるごとにアーティストとしてのパワーはどんどん増していったし、その中で常に新しいものを生み出してくれる。しかもその成長は今も止まらずに続いているものですしね。そこで味わえる刺激が僕はすごく楽しいんです。

ーー制作の過程において、何に対してもがくことが多いんですか?

遊助:やっぱり歌詞ですよね。基本的に一回世に出した言葉はもう一生使えないものだと僕は思ってるんですよ。それは歌詞に限らず、TVのバラエティ番組とかSNSとかブログとか、どこかしらで僕が発信した言葉はもう使えないっていう。それは僕自身の中での新鮮味がなくなっちゃうからっていう理由が大きいんですけど。

ーー他のアーティストと比べると、遊助さんは発信する場所が多いですからね。その縛りはかなり大変なんじゃないですか?

遊助:ほんとにそうなんですよ! ボツになって世に出なかった歌詞であっても、そこで使った内容、表現は封印しますからね。一回書いたら、それはもうそこで成仏させてあげなきゃいけないっていう気持ちなので。そういうルールに対しての苦しさは確かにあります。音楽以外にもいろんな表現の場があることは僕にとっての最大の強みだけど、それによってアウトプットも多くなってしまうっていうのはもう一長一短ってことで納得するしかないんだと思います(笑)。

N.O.B.B.:さっきも言ったけど、どんだけもがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくるのが遊助ですからね。それは10年以上、一緒にやってきたからこそわかるんですけど。この人はもがくところを見てても美しい。だから俺は歌詞が上がってくるのを待ってる時間も楽しめてるところがあると思います。

フックアップする役割を担っていきたい(遊助)

ーーこれまでの歴史の中でターニングポイントになったと感じるアルバムはあります?

遊助:どうだろうなぁ。基本的にはグラデーションのように変化しているものだと思うんですよ。対外的なことで言えば、ここらへんで見られ方が変わったなとか、ここらへんでスタッフに若い子が増えてきたなとか、ここらへんから遊助をちっちゃい頃に聴いてましたっていう子とよく出会うようになったとか、いろいろ変化はあったと思うんですけど。あ、でも1枚目のアルバムの頃は俺もまだ20代だったから同世代に向けて歌ってたところはあったけど、年齢を重ねる中で徐々に聴いてくれる対象に向ける視点が変わってきたところはあったのかもしれないですね。

N.O.B.B.:それこそ今回のアルバムで客演してくれたRude-αなんかは2枚目に買ったCDが遊助だったって言ってたもんね。

遊助:うん。なんかそういう周囲の状況の変化が自分に影響を与えてくれるところはありますよね。案外、自分自身とか近しい景色はそこまで変わらないものなんですよ。ライブの景色もそこまで大きくは変化しないし、TVに出たときの扱われ方も意外とデビュー当時のままだったりしますからね。N.O.B.B.くんが急に老け込むってこともないわけだし。

N.O.B.B.:そこもグラデーションだからね(笑)。

遊助:そういう中で周りの人やスタッフに変化があれば、「あ、俺の今の立ち位置ってこういう感じなんだな」ってことに気づけて、「OK、じゃあそこにチャンネル合わせて行こうか」って動くことができるっていう。

ーーここ最近、若い世代のアーティストとのコラボが増えたのは、そういった理由からなんですかね?

遊助:そうですね。そういう意味合いもあると思います。下の子たちから学ぶべきことはたくさんあるし、いい刺激をもらえるので。あとは、俺自身が若い頃にいろんな人たちにフックアップしてもらった経験があるので、今度はそういう役割になれたらいいなっていう気持ちもあるかな。アルバムを10枚重ねてきたことで、遊助がそういう学年になったってことなのかもしれない(笑)。

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