はるかりまあこ、HALLCA・仮谷せいら・AmamiyaMaakoがユニットという形で手にした明るく軽やかな音楽
三人寄れば文殊の知恵
表題曲の「TERMINAL」と「Glitter」の作詞作曲は3人で共作、「熱帯のシトロナード」をHALLCA、「Brand New Day」を仮谷せいらが作詞作曲、そしてAmamiyaMaakoは「キミにギフト」の作詞作曲と全曲のアレンジを手がけた。
オープニングを飾る「TERMINAL」は、新たな一歩を踏み出す時のドキドキとワクワクを、夜感のある都会的なトラックとエモーショナルなメロディで表現した楽曲。ライブ会場をターミナル駅に見立てて、はるかりまあこという列車に乗って一緒に新しい旅に出かけようと聴く者を誘ってくれる。「Glitter」は、グルービーなサウンドとジャジーなギターの音色が心地いい楽曲。煌びやかなトラックが、渋谷のネオンを彷彿とさせる。
HALLCAが作った「熱帯のシトロナード」は、イントロに流れる美しいフェイクや、南国調のエッセンスを取り入れたサウンドが印象的。耳馴染みのいいメロディラインは、思わず口ずさみたくなるキャッチーさだ。情熱的な恋を彩る蒸し蒸しとした暑い夜の情景に、寒い季節を忘れさせてくれる。
仮谷せいらが作詞作曲した「Brand New Day」は、エレクトリックなサウンドと、レンジが広く深みのある仮谷のボーカルとの対比が印象的。前向きな思いが込められた歌詞と、スケールの大きなサウンドが聴く者の背中を押してくれる。歌詞には英語が巧みに取り入れられ、高揚感をかき立てる聴き心地だ。
ラストに収録されたAmamiyaMaakoによる「キミにギフト」は、初々しい恋になぞらえながら、何気ないことに幸せが詰まっていることを歌ったナンバー。軽快なビートに乗せて、幸せな気持ちがこぼれ落ちていく感覚が心地いい。途中で聴かせる3人のラップも実に味だ。
昨年の非常事態宣下でできた時間を制作期間に充てたアーティストは多く、はるかりまあこもそんなうちの一組で、打ち込みを主体にした彼女たちの音楽は、ネットを介したリモートでの制作にも向いていたようだ。アーティストにとって実に苦しい時代ではあるが、三人の明るく軽やかな音楽は、暗い世の中に光を灯してくれる。三人寄れば文殊の知恵ではないが、一人では無理でも三人でなら出来る。ユニットという新たな可能性を手にした三人の活動が、シティポップシーンにどんな影響を与えていくのか楽しみだ。
■リリース情報
「TERMINAL」
発売:2021年3月17日(3月3日配信スタート)
配信はこちら
価格:2,000(税込)
収録曲:5曲
M-1「TERMINAL」
Lyrics & Music:HallKariMaako Arrangement:AmamiyaMaako
M-2「Glitter」
Lyrics & Music:HallKariMaako Arrangement:AmamiyaMaako
M-3「熱帯のシトロナード」
Lyrics & Music:HALLCA Arrangement:AmamiyaMaako
M-4「Brand New Day」
Lyrics & Music:Seira Kariya Arrangement:AmamiyaMaako
M-5「キミにギフト」
Lyrics & Music & Arrangement:AmamiyaMaako