まふまふが自在に歌いこなす“恋の2つの目線” 映像による仕掛けで鮮やかに描かれる青春

まふまふ、映像とともに描く恋と青春

 NTTドコモの「ドコモのロング学割」Webムービー「高校1000日間の片想い」が3月2日に公開された。タイアップソングはまふまふの新曲「片恋」。作曲は大ヒット楽曲LiSA「紅蓮華」を手がけた草野華余子、作詞をいしわたり淳治が手がけた楽曲だ。Webムービーは「男子」篇と「女子」篇の2篇構成となっているのだまふまふが自在に歌いこなす“恋の2つの目線” 映像による仕掛けも、鮮やかに描かれる青春が、「片恋」もまた、男女それぞれの目線に寄り添うような構成になっている。

 歌詞を担当するいしわたり淳治は、Superfly「愛をこめて花束を」やchay「あなたに恋をしてみました」など、鮮やかな情景が浮かぶような、誰の胸にもストレートに届く愛を描いたポップソングを手がけてきた。

 本日3月12日より配信がスタートした「片恋」では、1番がムービーの男子目線、2番が女子目線にあたるものとして作られている。同じ時間を過ごした2人を描く1番と2番の歌詞は似ているのだが、だからこそちょっとした差が2人の視線のすれ違いを感じさせる。〈ずっと君が好きで 好きだった たぶん気づいてないだろうけれど〉(1番・男子目線)と、〈ずっと君が そう好きだった 気づいてもないだろうけれど〉(2番・女子目線)など、ほとんど同じ詞なのに、2人の人間が心の中だけで互いを想い合っているというシチュエーションに置くことで、思い浮かぶ情景が一気にドラマチックになっていく。

 両想いだったとしても、伝えなければそれは片想いのままだ。〈始まってもいない恋は 時をいま止めたから 終わることもないでしょう〉という臆病さが、実らない恋の切なさを募らせる。

 想い合いながらも伝わらないこの曲の構造を引き立てているのが、まふまふのボーカル力だ。もともとハイトーンボイスが武器で、女性ボーカルが歌うような高音域も難なく歌いこなすまふまふ。女の子を思わせるかわいらしい声と、地声に近いハスキーボイスを使い分けたオリジナル曲「女の子になりたい」は公開されるやいなや話題になった。

【MV】女の子になりたい/まふまふ

 「打上花火」のカバーもそうだ。オリジナルでは米津玄師とDAOKOでパートを分け合っているこの曲を、カバーではまふまふ一人で歌っていると知ったら、初めて聴く人は度肝を抜かれるかもしれない。

打上花火 -Arrange ver.-cover【まふまふ】

 ボーカリストが数多いるといえども、音域や性別を超えていく芸当ができる人物は多くはないだろう。1曲の中で男子と女子、2つの気持ちを声音を変えて歌い上げる「片恋」は、まふまふだからこそ実現した曲と言えるかもしれない。

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