東方神起、まふまふ、UVER、BLACKPINK、ポルカ……先鋭的サウンドを求めるアーティストの新作

 日本デビュー15周年を記念した東方神起の10thアルバム、“ネット発のマルチクリエイター”として知られるまふまふの2年ぶりのフルアルバムなどを紹介。自らのスタイルを貫きながら、常に先鋭的なサウンドを求め続けるアーティストたちの最新モードを体感してほしい。

東方神起『XV』(通常盤)

 シングル曲「Jealous」「ミラーズ」「Hot Hot Hot」を含む東方神起の10作目のオリジナルアルバム『XV』。ドープなベースライン、ラテン経由のヒップホップサウンド、セクシーかつアグレッシブなボーカル/ラップが絡み合う「Hot Sauce」、オルタナR&B、エレクトロなどが混ざり合うサウンドのなかで、早朝6時の都会の情景と大人同士の恋愛模様を描いた「Six in the morning」、雄々しいコーラスから始まり、パーカッシブなトラックとヘビィロック直系のギターサウンドが爆発する「Guilty」。日本デビュー15周年を迎えた東方神起は、まったく守りに入ることなく、サウンドメイク、リリック、ボーカルスタイルなどにおいて攻めの姿勢を貫いている。巨大な成功に甘んじることなく、常にトライを続けることも、彼らが強く支持され続けている理由だ。

東方神起 / Guilty Music Video(Full Version)
まふまふ『神楽色アーティファクト』(通常盤)

 “ネットシーン発のマルチクリエイター”“時代を牽引するポップアイコン”として、従来のファンのみならず、幅広い音楽ファンに浸透しはじめているまふまふの約2年ぶりのフルアルバム『神楽色アーティファクト』。和的なメロディと先鋭的なロックの融合を推し進めた「忍びのすゝめ」、超高速のビートとともに、ギター、ベース、シンセサイザーの高難度のフレーズが絡み合い、圧倒的なカタルシスへと導く「マルファンクション」、優美なメロディラインが高らかに響き渡るバラード「朧月」など、ソングライター、シンガー、サウンドメイカーとしての資質がきわめて高いバランスで結合している。2010年代以降の邦ロック、ボカロ、歌い手などの潮流がひとつになった本作によって彼は、アーティストとしてのポテンシャルの高さを改めて証明することになるだろう。

神楽色アーティファクト-XFD-/まふまふ
UVERworld『ROB THE FRONTIER』(通常盤)

 2019年12月19日、20日に東京ドーム公演を控えているUVERworldのニューシングル曲「ROB THE FRONTIER」は TVアニメ『七つの大罪 神々の逆襲』(テレビ東京系/BSテレ東)オープニングテーマ。前々作『GOOD and EVIL / EDENへ』、前作『Touch off』では、BPMを抑え、低音を強調したR&B的なアプローチにトライしていた彼らだが、今回はアタックの強いドラム、エッジを効かせたギターを軸にしたロック系のアッパーチューンに仕上がっている。“今を積み重ねながら、常に最前線へ動き出す”というメッセージを押し出した歌詞からも、現在のUVERworldのモードがはっきりと感じ取れるはず。エンディングのサックスソロをはじめ、メンバー全員のプレイヤビリティが発揮されているのもこの曲の魅力だ。

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