ずとまよ、Eve、天月、まふまふ……コロナ禍におけるネット発アーティストの動向は? 視聴者との結束を高める発信方法

Eve『Smile』(通常盤)

 コロナ禍の今、ライブハウスや屋外におけるライブの中止や延期が相次ぎ、様々なアーティストがその代替策として、YouTubeをはじめとした動画共有サービスを利用した配信をするようになった。メジャーシーンで活躍するアーティストが、ネットへと活動の場を広げ、プライベート空間を映しながらおこなう配信は、エポックメイキングなものとして光が当たりやすい。一方で、もともと、主にネットを通じて楽曲や配信を公開することに長けているネット発アーティストによる配信は、その性質上、プライベート空間を公開しないことも多く、インパクトは僅かな程度にとどまりがち。それでも、ネット発アーティストによる数々の配信に共通しているのは、彼らならではの方法で視聴者を楽しませようと試みていること。そこで、本稿では、4月7日に緊急事態宣言が発動されて以来、ネット発アーティストが配信してきた内容をもとに、ネットシーンの魅力の深淵に迫ることとしたい。

別の視点に目を向けた上サプライズ感のある演出

 とりわけ、実験的な演出で話題を呼んだのが、ずっと真夜中でいいのに。が、開催を延期したクリーニングライブ『定期連絡の業務』公演の2日目にあたる5月6日に配信したYouTube Live『お風呂場ライブ 定期連絡の業務』。タイトル通り、フロントマンであるACAねが、自身の浴室からMC含め約25分程度に渡って届けた同配信をポップに彩ったのは、ACAねの姿そのものではなく、これまでのMVではお馴染みのキャラクターが出演するアニメーション。その中から、ACAねによるエモーショナルな歌声とツインピアノの音色が織り成す歌世界が飛び出してきたのだった。ACAねと同様に、素顔を公開する習慣のないネット発アーティストによる配信は、依然として、アニメーションを徹底したものが多く、プライベート空間に欠けるところがあるのは、否めない。しかし、今回、ACAねが、部屋でも外でもない浴室をライブステージに選んだことから、生のライブで披露するのに近い歌声を実現したように、別の視点に目を向けた上で、サプライズ感のある演出を施すネット発アーティストは、少なくないのだ。

 ずっと真夜中でいいのに。のほかに、生のライブへと気持ちを寄せたのが、Eveといえる。自身の誕生日の5月23日、横浜ぴあアリーナMMで開催する予定だった初のアリーナワンマンライブ『Eve LIVE Smile』が見合わせとなってから、5月1日に、EveのスタッフがTwitterのEve公式アカウントにて、「Smileに『いのちの食べ方』という楽曲がありますが、LINE MUSICのBGMに設定して待っていて下さい。(中略)ライブが無くなってしまったのは大変残念ですが、次に進みます」と投稿(参照)。それからLINE MUSICを通して、Eveと視聴者が、「いのちの食べ方」を共有するムーブメントが起きると、22日には、Eveが、とっておきのプレゼントを贈るようにして、公式YouTubeチャンネルで「いのちの食べ方」のリアレンジver.となるミュージックビデオを公開した。音源に新味が加わった楽曲を公開するまでの間に、視聴者と1曲を通じて心をひとつにする流れを作ったことは、生のライブで体感できる楽曲の共有に少なからず、重なり合う。

いのちの食べ方 – Eve MV

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