ゴールデンボンバー、配信ならではの振り幅あるセットリストで魅了 新曲「キスミー」やカバー曲も披露

ゴールデンボンバー、振り幅あるセトリ

 12月24日、『ゴールデンボンバークリスマスライブ~聖夜の夢漢却廃神~』がニコニコ生放送とABEMAペイパービューで生配信された。

 オープニング映像内で、なごやかにテーブルを囲むメンバーたち。どうやらクリスマスパーティーのようだ。喜矢武豊(Gt)のワイフの振る舞う料理に舌鼓を打ちながら、それぞれが家族と過ごす年末年始の予定を語りあっており、まさに幸せそのものといった光景である。

 そんな彼らの背後の窓によぎる白い影。熊だ。しかも白熊である。10月の『エアーツアー』の北海道編でよく似た生き物を見かけた気が……。それはともかく熊と人の力の差になすすべもなく、惨殺されてしまった4人。そして鬼龍院翔(Vo)の指先には「ゴールデンボンバーのライブ始まるよ」というダイイングメッセージが残されていた……。

 1曲目は「デスメンタル」でスタート、血まみれの服装のままステージに登場した4人。ギターソロでエアーギターを弾き倒す喜矢武を最初は「こんな怪我をしてまで!」ともてはやすも、長すぎるソロにうんざりするメンバーたち。そしてついに「なげえよ!」と鬼龍院にツッコまれ、ソロは中断。続いてもアッパーチューン「かっこいいな英語って」を投下し、「頭振っても大丈夫、冬休みだから!」と、画面の向こうのファンの健康を鬼龍院が気遣う。

喜矢武豊(Gt)
喜矢武豊(Gt)

 オープニングの映像について「まさか白熊が襲ってくるとは……、そこからは不思議な力がわいてきて、今はステージに立てている」としみじみする鬼龍院に、「死の淵から駆けつけられた」と歌広場淳(Ba)、「おかしいだろ、この設定!」と観客の気持ちを代弁する喜矢武。

 鬼龍院いわく、「幸せなクリスマスだと思っているなかにも、危険やリスクも考えることを伝えたかった」とのこと。

 そしてゴールデンボンバーの無観客配信といえば、もはやおなじみとなった「生き霊」だ。会場は無観客ながら「皆さんの気持ちが配信の音声にのっちゃうことがあることもある」(鬼龍院)という現象が起こるのだ。

 「生き霊」はメンバー紹介に入っても元気だ。トークを黄色い声で妨げる生き霊に対して、うんざりする喜矢武。白熊に殺されて復活したことにより、なにかしらの力に目覚めたようで、手のひらから気功波を出し、「生き霊」を撃退することに成功した。ライブ配信ならではの合成技術がこんなところで使われるとは。

 気を取り直して喜矢武は「今年はソロキャンプが流行った」とキャンプへのあこがれを語り、歌広場がコメントでの盛り上げ方や、SNS拡散時のお願いなどについて説明し、樽美酒研二(Dr)の恒例のコールではコメント欄が大盛りあがり。

 「抱きしめてシュヴァルツ」では、さきほどのMCでの前フリの通り、喜矢武は全身黄色で赤いパンツの「キャン・プー」に扮しはちみつを貪る。ストレートなダジャレだ! 脚立とプールが用意され、手際よく歌広場がはちみつを流していく。流しそうめんならぬ流しはちみつだ。そして白い風船に入り雪だるまに扮した樽美酒に、「可愛くない~ふざけたいだけ~!」と鬼龍院がツッコミを入れ、その後風船が割れてTバック姿に……。

樽美酒研二(Dr)
樽美酒研二(Dr)

 そして気を取り直して、コメントを読み上げながらクリスマスらしいドレッシーな衣装に着替えつつ、再びMCへ。鬼龍院から近況について聞かれると、喜矢武が「『鬼滅の刃 無限列車編』おもっしろいな~!」と切り出し、「『無限列車編』が実写化された際は、やっきゃん(役者の喜矢武の略)として、必ずやりとげたい」と宣言。なお、メンバーはその言葉をあまり信じてないようだ。

 コメント欄とのコールアンドレスポンスから始まった「今夜はトゥナイト」。ギターソロでは喜矢武は列車姿で登場。鬼龍院からの「そっち!?」というツッコミが入ったかと思えば、スクリーンの画面が切り替わって、雪山へ。想像以上のスピードで下っていく喜矢武を、崖の直前で止める3人。『無限列車編』ってこんな話でしたっけ? なおこの模様の裏側はYouTube公式チャンネルで公開されている。

 ダンサブルな「愛してると言えなくて」、切ないラブソング「もうバンドマンに恋なんてしない」を披露したあと、「感情の振り幅がデカすぎる!」とセトリに自らツッコミを入れる鬼龍院。

歌広場淳(Ba)
歌広場淳(Ba)

 樽美酒の「イルミネーションを見せたい」という前フリから始まった「Oh My Love!」では、『エアーツアー』の大阪編でも登場したキャラクター「玉●くん」が、全身のLEDライトをキラキラさせながら、メンバーらに半額シールのついたお惣菜やケーキを配布。「燃やして!マイゴッド」でも、引き続き「玉●くん」姿でサルサのリズムで踊る樽美酒に笑いをこらえきれない鬼龍院。樽美酒は「今の曲は邪魔しちゃったね」と満面の笑みを浮かべる。

 テレビ出演などの告知、乾燥したはちみつを蚤だと勘違いする喜矢武など、やんややんやと和やかに進行していく。「(今日は)珍しい曲が多い構成」という鬼龍院に対して、「(配信ライブだからこそ)好きなように楽しめる」と歌広場。鬼龍院の言葉とおり、久々に披露される「101回目の呪い」から、ピアノのイントロから「あの日君を傷つけたのは」へ。そこからは「打って変わって運動量の多い曲行ってみようか!」という鬼龍院の声から、香港映画風の「成龙很酷」や「かまってちょうだい///」といった、ハードな振り付けの曲が続く。

 本編ラストの「イヤホン」のコメント欄で、拳や手のひらの絵文字が並んだのは壮観だった。毎回恒例の金テープはそれぞれの手書きメッセージを公式のTwitterで確認できる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる