DOBERMAN INFINITY KAZUKI、艶やかな表現力で魅了するボーカル D.Iの歌を一手に担う技術&“末っ子”らしいマイペースさ

D.I KAZUKI、艶やかな表現力で魅了するボーカル

 KAZUKIの持ち味は、艶のある美声と、抑揚やビブラートを駆使した豊かな表現力。4人のMCに対してボーカル1人という構成だが、P-CHOが「なんならドーベルの50%を俺ら4人で構成してて、残りの50%をKAZUKIひとりで担ってるくらいの感覚」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と語るほど、他メンバーの個性豊かなラップに引けを取らない存在感を放つ。特に「YOU&I」や「ずっと」といったミディアムナンバーでは、KAZUKIが歌い始めを担当することでスケール感を演出。透明感のある歌声は、一声でその場の空気を変えるほどの吸引力を持つ。さらに、昨年リリースしたベストアルバム『5IVE』の表題曲では、オーセンティックなラップにも挑戦。最近では「コロナ禍でも自分ができることを」と、Uru「あなたがいることで」やYOASOBIの「夜に駆ける」といった他アーティストのカバー、DOBERMAN INFINITYの楽曲のセルフカバーをYouTubeに投稿して話題に。最新シングル『6 -Six-』には、SWAYとの初のコラボ曲「DESTINY -S.O.L- feat.SWAY、KAZUKI」も収録し、個人としてもグループとしても積極的に新たな一面を見せている。トラックメイカーとしても期待されており、P-CHOも「楽曲作りに関しても年々、彼はクリエイティビティが上がっていて、音楽家として成長してる」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と称賛している。

DOBERMAN INFINITY「5IVE」 (Official Music Video) ( from BEST AL「5IVE」)
Uru「あなたがいることで」by KAZUKI(DOBERMAN INFINITY)

 そんなKAZUKIの性格は、マイペースな末っ子キャラ。メンバーとは年が離れているが、最年長のGS曰く、KAZUKIは「考え方がすごく老けてる」(引用:ぴあ中部版WEB)そうで、年の差をあまり感じない可愛い弟。負けず嫌いで努力家な部分は昔から変わらないが、今ではフレンドリーな兄貴達に囲まれながら、伸び伸びと発言する姿が印象的だ。ちなみに、DOBERMAN INFINITYの中では、GSと1位2位を争うレベルのド天然。たとえば、自宅では加湿器で天井から水滴が落ちてくるほど加湿しているそうで、インタビューではKUBO-Cから「お前、もうエラ呼吸覚えろよ(笑)」とツッコミを入れられる場面も(参照:めるも)。その一方、SWAYが「自分のソロ曲とかアルバムに入れるじゃないですか。KAZUKI、絶対にでき上がるまでの過程を僕らに見せないんですよ」(引用:月刊ソングス)と語るように、完璧主義な面も併せ持ち、知れば知るほどハマってしまう中毒性のあるボーカリストと言えるだろう。予想不可能なKAZUKIの存在が、“ALL ROUND HIP HOP”をテーマに掲げるDOBERMAN INFINITYの可能性を“無限”に広げていく。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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