ロザリーナ×西野亮廣 特別対談 両者が語り合う、「えんとつ町のプペル」制作秘話と真逆の創作プロセス

ロザリーナ×西野亮廣 特別対談

先頭で引っ張っていくためには「誰よりも一番努力する」

ーー映画ではED主題歌として楽曲「えんとつ町のプペル」がオーケストラバージョンになって、より感動が広がるものになりましたね。

西野:最高です!

ロザリーナ:それこそこの曲の、どんなものにでも化けられる良さだなって思います。ダンスバージョンもあるし、5年前に大王とロザリーナという名義で歌った時も違うアレンジだったし、今回のようなすごくドラマチックなアレンジにもなれる。

西野:ダンスバージョンは、映画公開のちょっと前のタイミングだったんですけど、とにかく子どもたちがいろんなところで「えんとつ町のプペル」を歌ってくれていたので、そういう子どもが楽しめるような形を一つを作ろうということになりました。スタッフさんに「ダンスバージョン作ってよ!」と投げたんです。そこにバブリーダンスで有名なakaneさんが振り付けしてくださって。あれも可愛くてむっちゃ好きですね。ロザリーナの声にも合っているし。

ーー映画を拝見して思ったのですが……誰の心にもアントニオのように素直にやりたいことをできない自分がいて、その人にとってのプペルを見つけることで、誰もがルビッチのようになれる可能性を持っているんじゃないかと。西野さんがルビッチになれたのも、きっとプペルのような自分の背中を押してくれる存在がいたのだと思います。

西野:そうですね、友達とかスタッフがそれにあたるのかもしれないですね。僕の場合は、ルビッチくんみたいなのがいましたね、その時々で。今もいますけど。自分が何かに挑戦する時に、わっと言われた側なので、自分が言われるのは良いとしても、友達やスタッフのことまで言われたり危害が及ぶことが平気でありました。それでいうと、自分はそっち(プペル)側ではありました。

ーーこの映画は、西野さんの自叙伝のようなものでもあるとおっしゃっていて。この映画を公開することで、新しいことをやろうとしたり、夢を追いかけている人の背中を押すことができるんじゃないかと思います。

西野:応援出来たら良いなというのはずっとあります。映画に限らず、自分の活動を通じて自分と同じような目に遭った人を応援したいですね。

ーーロザリーナさんは、お父さんに背中を押してもらったんですよね。

西野:あ、そうなん? 父ちゃんに背中押してもらったの?

ロザリーナ:私、親からは大学に行けと言われていたんですけど、大学に行きたくなくて悩んでいて。ずっと家でギターを弾いて歌っていたら、父親から「お前は歌手になりたいのか?」ってある日ふと聞かれて。ちょっと反抗期で父親とはあまりしゃべっていなかったから、ドキッとして。怒られると思ったから言わないほうが良いかなと思いつつも、「歌手になりたいです」って恐る恐る言ったら、「じゃあなれ」って。「やりたいならやってみろ」って。それで「やって良いんだ! 大学行かなくて良いんだ!」という感じで音楽活動を始めたという話なんですけど。

西野:へえ〜! カッコいい父ちゃんだね。

ロザリーナ:でも今の私は、アントニオかなって自分では思いますね。やりたいけど、自分が先頭に立ってみんなを引っ張るようなことは出来ない。だから西野さんは、本当にすごいなと思っています。

西野:なるほど! でもきっと、自分はアントニオだっていう人は多そうですよね。

ーーロザリーナさんは、どうして自分は出来ないって思うんですか?

ロザリーナ:行動力がないし勇気もない。それに一人で先頭に立つのって、怖くないですか?

西野:いやあ、どうなんだろう。もう慣れたかな。

ロザリーナ:でも思ったんですけど、西野さんって先頭にはいるけど、仲間好きだから一人ではないんですよね。西野さんってちょっとヌケてるところがあってよく忘れ物をするし、そういうところをみんなは支えたいって思うんだと思う。だから西野さんのそういうキャラがまずあって、西野さんを支えたいと思ってくれる人が集まってチームになって一つの船になっている。私は先頭に立つと言うよりも、一緒に並んで歩ける仲間が欲しいと言うか。同じ仲間でずっとやっていきたいんです。

西野:僕はわーって(先頭に立って)行っちゃいますね、たしかに。

ーー人を引っ張っていくために、何か意識することってあるんでしょうか?

西野:誰よりも一番努力することですね。

ロザリーナ:怠けたくなる時ってないですか? 今日はちょっと無理だから明日からやろうとか。

西野:飲んだら、すぐに寝るけど(笑)。その時ぐらいです。例えば一番手売りするとか、一番草の根運動をするとか、一番挨拶まわりに行くとか。そういうことをやりますね。“凡事徹底”という言葉があるように、当たり前のことを変態的な物量でやるということが好きです。例えば1000人キャパの会場でライブをやるとして、1000人の客席を埋めるのってめちゃめちゃ簡単じゃないですか。チケットを1000枚手売りすれば良いだけなので。

ーー1000枚手売りすることが難しくないですか?

西野:やるか、やらないかだけですね。例えば飲み屋に行って一人一人に「来て下さい」って頭を下げて、それを1000回やったら絶対埋まるわけじゃないですか。でも、やらない人は自分のプライドとかが邪魔をして「ちょっとそれは出来ないから」ってやらないだけで。それをするだけで1000人のキャパを埋めることは100%成功するじゃないですか! 絶対成功すると分かっているわけだから、そういうことを僕はやりますね。

ロザリーナ:すごいですね。

西野:今回の映画は、前売り券10万枚だったんですよ(笑)。

ロザリーナ:売ったんですか?

西野:コロナで手売りは出来なかったけど、まず自分でパッと10万枚分買って、いろいろやり方を考えて。根性でいけるので。みんな大体アイデアとかにすぐ頼っちゃうので、根性で行く人がいないから結構ブルーオーシャンというか、ガラ空きなんですよ。そういうことは結構やりますね。だから得意です、手売り。

「定期的に降って来てくれないとマジで地獄」(ロザリーナ)

ロザリーナ:私にはマネ出来ないですね。じゃあ、作品とかのアイデアはどういう風に思い浮かぶんですか?

西野:ほんで、急にインタビュアーになったな(笑)。それは本当に絞り出す。降って来ることは絶対にないので。

ロザリーナ:え! 絞り出していたのは意外です。降って来ているのかと思いました。

西野:降って来たことは1回もない。

ロザリーナ:1回も? なにかボ〜っとしてて、フッと閃くとか。

西野:そうでありたかったね。そのほうが天才っぽいし(笑)。

ロザリーナ:何かを見て刺激を受けて、めっちゃ感動した、これを描きたいとか、そういう感じじゃないんですか?

西野:いや、ほんとに、もっと泥くさくて。大体、街とか世界観から作るんですけど、例えば「コーラ町、いや無理だな」となって、ここからしりとりみたいに「ラッコ町、無理だな」「ココア町、違う」とか、そうやってずっと出てくるまで何万回も考えて、「えんとつ町・・・あれ?ん!?」っていう感じです。

ロザリーナ:それは閃いたことになるんじゃないですか?

西野:それは閃いてないの。消去法で順番に潰していってるだけの話だから、、急に降ってきているわけじゃない。例えばある島に宝が埋まっていて、ひたすら穴を掘っている感じ。北側を掘って出なかったから、こんどは東側を掘って南側を掘って、じゃあ西側だなみたいな作業です。どんどんハズすんですけど、代わりに見つかる確率はどんどん高くなっていく。そういう泥くさい作業です。本当に辛いけど。

ーー決して天才ではないと。

西野:天才ぶっているという感じですね。ちょっと髪の毛を遊ばせてみたりして、見た目でどうにか(笑)。

ロザリーナ:私は降って来る天才タイプなんで!

西野:おまえ〜(笑)!

ロザリーナ:でも、降って来ないと何も書けないので、定期的に降って来てくれないとマジで地獄です。

西野:恐怖やん!(笑)まだ僕のほうが地獄じゃないな。掘り起こす作業はしんどいけど。

ーーそろそろ終わりなのですが、今回の『映画 えんとつ町のプペル』とエンディング主題歌「えんとつ町のプペル」で、見た人や聴いた人には、どんなことを感じて欲しいですか?

西野:やっぱり、2020年に公開というのは意味があるなと思っていて。コロナで世界が本当にえんとつ町みたいになってしまった。なので、その中で頑張る人たちのエールになれば良いなと思っています。ルビッチとプペルの頑張りを見て、「もうちょっと自分も頑張ってみようかな」という気持ちになってもらえるたら嬉しいです。

ロザリーナ:曲が完成した時に聴きながら帰ったんですけど、夜ちょっと寒くなってきて、曲も寂しい感じで始まるんですけど、家に帰り着くころには温かくて楽しい気持ちになっていました。だから聴いた人も、そういう風になってくれたら良いなと思いますね。

ーーちなみにロザリーナさんは、「えんとつ町のプペル」を収録したミニアルバム『ロザリーナⅡ』を映画公開前の23日にリリース。この作品も全体にファンタジー感がありますね。

ロザリーナ:そうなんです。「えんとつ町のプペル」が入ることで、「ネフィル」とかリリースすることはないかも知れないと思っていた昔の曲も入れることが出来ました。

西野:そうなんだ。

ロザリーナ:最近作っていた曲の中では「ネフィル」はちょっと浮くなと思っていて。でも「えんとつ町のプペル」と一緒に入ることで、違和感がなくなって、すごく幅広い一枚にすることが出来ました。これを聴いてもらえれば、ロザリーナのことが分かってくれるんじゃないかと思います。

西野:映画とあわせてぜひ!

■リリース情報
ロザリーナ
『ロザリーナⅡ』
2020年12月23日(水)発売

【通常盤】
SRCL-11438 ¥1,800(税込)
1 星の王子さま
2 長い夜
3 ネフィル
4 最後の今日
5 えんとつ町のプペル

【期間生産限定盤】
SRCL-11439  ¥1,800(税込)
※『映画 えんとつ町のプペル』デジパック仕様
Ⅰ えんとつ町のプペル
Ⅱ 星の王子さま
Ⅲ 長い夜
Ⅳ ネフィル
Ⅴ 最後の今日

■映画情報
『映画 えんとつ町のプペル』
2020年12月25日(金)ロードショー
出演:窪田正孝 芦田愛菜
立川志の輔 小池栄子 藤森慎吾 野間口徹 伊藤沙莉
宮根誠司 大平祥生(JO1) 飯尾和樹(ずん) 山内圭哉 / 國村隼
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:東宝=吉本興業
製作:吉本興業株式会社
(c)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
『映画 えんとつ町のプペル』公式サイト

■ライブ情報
『ロザリーナ ONEMAN LIVE 2021』
2021年5月23日(日)心斎橋:Music Club JANUS
OPEN 16:00/START 17:00
主催:キョードー
問:キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜11:00~16:00)

2021年5月29日(土)渋谷:Veats
OPEN 16:00/START 17:00
主催・問: HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(平日12:00~15:00)

<CD封入先行予約(抽選)>
受付期間:12月23日(水)午後~1月11日(月・祝)23:59
ミニアルバム『ロザリーナⅡ』同封の申し込みURLから

■関連リンク
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