NMB48、村瀬紗英の偉大な功績物語るステージに 唯一無二の世界観演出した卒業コンサート

NMB48、村瀬紗英卒業コンレポ

 さらに、村瀬の門出を祝いに多くのゲストも登場した。ロケバラエティ『いたくろむらせのオンとオフ』(テレビ埼玉)(※今後は新レギュラーに梅山恋和が加わり、『いたくろここなのオンとオフ』としてリニューアル)で共演するすゑひろがりず、じゃんけんユニット楽曲「あばたもえくぼもふくわうち」でふぅさえコンビを組む矢倉楓子、「心の端のソファー」で谷川愛梨、三田麻央といった2期生の同期、卒業メンバーが集結。特に矢倉とは「紗英が卒業する時に絶対来てもらう」という2年前の約束を叶えた感動の再会。クールビューティーながら、気さくでバラエティセンスの光る、大好きな同期にしか見せない無邪気な笑顔の村瀬もステージでは垣間見えた。

 初選抜曲「高嶺の林檎」を本編のラストに、アンコールではロングドレスを纏い登場。コロナ禍でコンサートが開けたこと、いつもそばにいてくれるファンに感謝を告げ、村瀬は高校3年生の時に亡くなった母親のことについて話し始める。「お母さんは強くて芯があって美人で明るくて、いつまでもずっと私の一番の憧れの人です。病院からもよくコンサートに来てくれて、私がどんどん前のポジションに行くたびに喜んでくれていました」「大好きなお母さんがいなければ、今、私はここにいないので、次の人生に踏み出すこの瞬間だけは私にもステキなお母さんがいたんだよって知ってもらえたら嬉しいなと思いました。みんなの自慢になれるよう紗英は頑張ります」。涙が頬に伝いながらも、晴れやかな表情で思いを語る村瀬。9年分の“結晶”としてソロで歌われた「結晶」は、これまで育んできたファンとの関係性を歌い、スクリーンにはグループを旅立つ村瀬の背中に大きな白い翼が生えていた。

 「たんぽぽの決心」では、メンバーとファンからのメッセージがサプライズで村瀬へと届けられた。会場で声を出して思いを伝えられないことを受けてのアイデアだ。スクリーンに映し出されるメッセージ一つひとつに目を通していく村瀬は、“なぎさえ”として信頼する渋谷凪咲に自然と寄り添う。同じQueentetであり、コンサート中にも「なぎさえラジオ」として相変わらずの仲睦まじい様子を見せていた2人。いつかまた“なぎさえ”が見られる日が来ることを、と思ったのは筆者だけではないだろう。

 ラストはダブルアンコールの「大声ダイヤモンド」で、NMB48らしく明るく締めくくられた。「これからもNMB48と村瀬紗英の応援をお願いします!」。そう挨拶した村瀬は、今後もファッションブランドのプロデュースはもちろん、新たなジャンルの仕事にも挑戦していくと宣言している。第2の人生を歩みだした村瀬は、これからも飽くなき夢に挑み続けていく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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