『会いたい、会いたい』インタビュー
風男塾が語る、『会いたい、会いたい』に込めたファンへの思い 新体制に突入する2021年への決意も
12月23日、男装ユニットのパイオニアとして活躍する風男塾が、26thシングル『会いたい、会いたい』をリリースした。表題曲を手掛けるのは、自身もアーティストとして活動しているヒットメーカー、SHIROSE(WHITE JAM)。“人を元気にする”をコンセプトとする風男塾だが、波乱の2020年を締めくくる今作は、ソーシャルディスタンスの時代に響くストレートなラブバラードとなっている。12月はオンライン上で積極的にアプローチしながらも、東名阪での有観客ライブ『風男塾 Christmas Party サンタク・ロース~貴方が選んだプレゼント~』を開催するなど、サンタクロースさながらの活躍を見せている4人。最新シングルの制作エピソードのほか、“恋人と会えないクリスマスイブ”をお題にロマンティックな妄想デートプランも考えてもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報&オリジナル動画あり】
「会いたい、会いたい」は全体的にセクシーさを出せた楽曲
ーーリード曲「会いたい、会いたい」は、WHITE JAMのSHIROSEさんが作詞作曲されているストレートなラブソングです。楽曲を受け取った時の印象はいかがでしたか?
愛刃健水:こう来たか! って感じでしたね。今年最後のシングルですし、クリスマス直前のリリースだから、キラキラした感じのクリスマスソングが来るのかな? と思っていたんです。そうしたら、元気な風男塾とは一味違う、深い想いを込めたラブソングだったので驚きました。でも、泣き歌を得意とするSHIROSEさんらしい曲調だからこそ、自分達はどういう見せ方ができるんだろう? っていう楽しみもありましたし、実際に完成してみて、コラボレーションしている感じがすごく出たなと思いましたね。SHIROSEさんとはまだお会いできていないんですけど、SHIROSEさんは提供した楽曲をよくセルフカバーされているので、いつかこの曲も歌ってくださるといいなと思っています。
紅竜真咲:上手い表現が見つからないんですけど、この曲って、ちょっと弱さをさらけ出した歌詞じゃないですか。そういう要素は今までの風男塾にはなかったので、曲を通して新しい自分を見せられるというのは、自分としても新鮮ですし、楽しみながらパフォーマンスしてます。
神那橙摩:前回の「笑う門に明日は来る」は、心の底から笑って! みたいな感じの曲だったんですけど、今回の「会いたい、会いたい」は大人っぽい雰囲気の曲ですよね。だから、俺も“大人な橙摩”を見せようと思って、“おっきい赤ちゃん”なりに頑張りました(笑)!
愛刃健水:メンバーそれぞれ年齢が違うから、曲の捉え方も表現の仕方も違うとは思うんですけど、全体的にセクシーさが出たんじゃないかなと思います。
ーー雅さんは前作『笑う門に明日は来る』のインタビューで、曲に対する独自の解釈を語ってくれましたが、今回も自分なりに深読みしながらレコーディングしたんでしょうか?
偉舞喜雅:ストレートだし、状況が見えやすい歌詞ですけど、自分なりのイメージもありましたね。
偉舞喜雅以外の3人:あったんだ(笑)。
偉舞喜雅:ただ、一度考え出すと深く深く掘っていってしまうので、そうするとメッセージが伝わりにくくなるんですよね。だから、“伝える”ことをちゃんと意識しないとな、と思って。今回は深読みしすぎないようにしました。すごくストーリー性のある曲なので、レコーディングでは感情の動きを意識しながら歌いましたね。サビの〈会いたい、会いたい、会いたい〉と繰り返す部分も、全て違う表現で〈会いたい〉と伝えています。
ーーその表現がすごく繊細で、夜、部屋の電気を消してこの曲を聴いたら泣けてきました(笑)。
紅竜真咲:あははは。でも、リリースタイミングが今だからよかったですよね。ステイホーム期間の真っ最中にこの曲を聴いたら、暗い気持ちが強く伝わってしまうかもしれないけど、(取材当時)その期間が明けて少しずつライブができるようになってきた今だと、最後の〈もう二度と君を離さない〉が希望になるから。
愛刃健水:それはあるね。この曲はすでにライブでも披露していて、サビは歌詞の通り、抱きしめるようなロマンティックな振付になっているんですけど、全員まとめて抱きしめたい!(笑顔でエアハグをして、目の前に置いてある物を吹き飛ばす)
愛刃健水以外の3人:あぁ~~~(笑)。
ーーお客さんを前にしてこの曲を歌う時は、歌声にもかなり気持ちが入りそうですね。
偉舞喜雅:ライブになると、その都度自分の気持ちも変わりますからね。音源とは違う表現になっていると思います。たとえば、真咲くんが歌う歌い出しの〈会いたい、会いたい、会いたい〉を聴いて、「真咲くんがそういう感じなら、自分も合わせていこう」って思ったりとか。毎回変えながら歌ってますね。
ーー真咲さんは意図的に歌い方を変えているんですか?
紅竜真咲:俺はとくに変えてるつもりはないんですけど……。
愛刃健水:いや、変わってるよ? 頭サビで〈会いたい〉を繰り返す時の強弱の付け方が、ライブと音源では違いますね。本人は無意識でやってるのかもしれないけど、歌い出しからすごく引っ張っていってくれてるなぁと思います。
紅竜真咲:自分的には、どちらかというと、表情や仕草をどう見せるかに力を入れてパフォーマンスしていたんですけど。ありがとうございます(笑)。
神那橙摩:「会いたい、会いたい」はライブでやると、イントロが流れた瞬間にスイッチが入りますよね。目にもグッと力が入るし、ダンスも指先まで意識して丁寧に踊っています。
ーーではMVの見どころについても教えてください。
神那橙摩:今回のMVは結構ソロカットが多いですね。光の当たり方とか目で物語るようなシーンが多くて、クールな雰囲気の映像になっています。俺は1人で寝転がってるシーンがあるんですけど、寝転がってるところを上から撮られるのが慣れなくて(笑)。上から撮った時に、顔や手足の角度をどうしたら綺麗に見えるのかを考えながら、試行錯誤しました。苦戦したぶん、カッコよく仕上がったと思うので、そこはぜひ観てほしいです。
ーーカップリングの「テノナルホウヘ」も、すでにライブで披露していると伺いました。聴き手を翻弄するようなSっ気のある楽曲ですが、曲の印象や、実際にお客さんの前で披露した手ごたえはいかがですか?
偉舞喜雅:「テノナルホウヘ」は、最初に聴いた時、『不思議の国のアリス』みたいなイメージが湧きましたね。妖しく揺らめている煙について行ったり、おいしそうなものが落ちていて、それを拾っていくうちに不思議な世界にどんどん吸い込まれていっている、そういう曲だなと思いました。ライブでも、みんなを吸い込むような感じで〈さあテノナルホウヘ〉と歌っています。歌詞にもあるんですけど、この曲のテーマはパーティーなんですよ。1人、2人と、どんどん人が吸い込まれていってパーティーが始まる曲。サウンド的にも中毒性の高い曲になっていて、ライブではかなり盛り上がります。
愛刃健水:じつはこの曲、今はファンのみなさんがライブ中に声を出せないので、みなさんも一緒に踊れる振付を、ということで全編一緒に踊れる楽曲になっています。だから、歌詞はSっ気のある感じなんですけど、ダンスと組み合わせると一体感があって、やっていて楽しいですね。まだ2回くらいしか披露していないんですが、今後披露する時も、この曲のイントロが流れる度に「来た来た!」って思ってもらえるんじゃないかなって思います。
神那橙摩:ライブの定番曲になってほしいですね。事前にYouTubeにダンス動画を上げていたんですけど、ライブではみんながペンライトを持ちながら踊ってくれて嬉しかったです。その光景を見て、自分も盛り上がっちゃって(笑)。その高まりが歌やパフォーマンスにも出てるなって感じました。
紅竜真咲:先日イベントで披露した時は、風男塾を初めて観た方達も、後ろのほうでステージを観ながら一緒に踊ってくださっていて。マネしているうちにどんどん楽しくなっていったのか、すごく一生懸命踊ってくれている姿が印象的でしたね。その姿を見て、「テノナルホウヘ」はもともと応援してくれている方だけじゃなく、新しい方々に風男塾に興味を持ってもらえるきっかけになる曲だなと思いました。
愛刃健水:曲調的にも今流行っているようなサウンドだし、好きな人が多いんじゃないかなって思いますね。ただ、曲中にクラップをするところがあるんですけど、クラップを入るタイミングがちょっと難しいんですよ。それは事前にダンス動画を観ておいてもらったほうが良いかもしれない。そういうふうに、曲的にもイジワルなところがあるのが「テノナルホウヘ」の面白いところですね。……(歌詞を読みながら)改めて読むと、歌詞もかなり尖ってますね。〈イヤイヤって首を横に振るのも 素直に頷く姿もいいじゃない?〉って、すごいなぁ。
紅竜真咲:「会いたい、会いたい」とは違う、俺様キャラですよね。自分勝手で気分屋だけど、それでもついていきたくなっちゃう魅力を持った男……つまり、俺の歌! 「テノナルホウヘ」じゃなくて「マサキノホウヘ」に変えたほうがいいんじゃないですか(笑)?
愛刃健水:「ここまでおいで」(台詞)って言ってるのも真咲だしね。ただ、真咲の場合、ちょっとついていこうかなと思ったら、前でコケてると思います(一同笑)。