幅広い音楽性乗りこなすミーガン・ザ・スタリオン、80’s受け継ぐマイリー・サイラス……今年台頭した女性アーティスト4曲

徹底的に創り上げられた「男の世界」へのメッセージ
Marina「Man’s World」

Marina
Marina「Man’s World」

 昨年、Marina and the Diamonds(マリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズ)という名義をシンプルなMarina(マリーナ)表記に改名。前作『Love + Fear』に続く作品に向けて、SNS上で女性のコラボレーターを募集していた。そしてMV含め、全てのスタッフを女性とノンバイナリーで揃えたマリーナがついに来る新作の1stシングルとして発表したのが「もうこれ以上男の世界で生きていたくない〈I don’t wanna live in a man’s world anymore〉」と宣言する本楽曲である。

 マリーナは、古くは魔女狩りから、2019年に策定されたブルネイの同性愛を罰する極めて厳しい法律まで、様々な歴史を参照しながら女性やLGBTQ+の人々が“Man’s world”に迫害されてきた過去、そして現在を歌いながら、男性に対して理解を訴えかける。本楽曲はあくまで対立ではなく、理解を促そうとしていることが重要だ。そして何より、神秘的、かつ壮大な本楽曲は極めて美しいポップソングであり、それはマゼンタやミントグリーンといったビビットな色彩の衣装を身に纏ったパフォーマーによるMVでも同様だ。1人でも多くの人に届いてほしい。

MARINA – Man’s World (Official Music Video)

自由なプラットフォームだからこそ生まれる新たなポップミュージック
BENEE「KOOL」

BENEE
BENEE「Hey u x」

 2019年12月に発表した「Supalonely」が、3カ月の間を空けてTikTokを中心に大ブレイクし、あのエルトン・ジョンにまで評価されるなど、一躍人気ポップアーティストの仲間入りを果たしたニュージーランド出身、現在20歳のベニー。ついに登場したデビューアルバム『Hey u x』は、そんな成功で得た自信をモチベーションに様々な音楽性に挑戦した、実験的でユニークな作品となっている。

 その中でも「KOOL」は、冒頭から強烈なインパクトを放ち、その後も多様される強靭な4拍のビートと、ニューウェーブを彷彿とさせるどこか奇妙でキャッチーな楽器の音色が楽しい曲であり、その奇妙さを増幅させるような、人気ライフシミュレーターゲームの『The Sims』を再現したキュートなMVも素晴らしい。すでに確固たる地位を持つアーティストの完成された作品も良いが、TikTokをきっかけにブレイクするアーティストの楽曲はどれも自由な楽しさを持っており、またポップカルチャーの違った魅力を発見することができる。

BENEE – KOOL (Official Music Video)

■ノイ村
海外のポップ/ダンスミュージックを中心に愛聴。普段は一般企業に勤めているが、SNSやブログにおけるシーン全体を俯瞰する視点などが評価され、2019年よりライターとしての活動を開始。
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