フィロソフィーのダンス、AR演出からアコ編成まで多様なアプローチで魅了 涙と最高の笑顔で締めくくった無観客配信ライブ
2020年11月19日、フィロソフィーのダンスによる無観客配信ライブ『World Extension』が開催された。久しぶりのワンマンライブだ。フィロソフィーのダンスは8月6日にも無観客配信ライブ『5 Years Anniversary Party』を開催し、その際の会場は5年前にデビューステージを踏んだ新代田FEVERだった。それに対して「ARライブ」と銘打たれた『World Extension』は趣向を変え、ステージ後方に大型スクリーンが用意された池袋harevutaiで行われた。
ライブは、「ダンス・オア・ダンス」で幕を開け、「ライク・ア・ゾンビ」へ。さらに、メジャーデビュー曲「ドント・ストップ・ザ・ダンス」のカップリング曲「なんで?」へと続いた。アッパーに始まり、次第にエレガントになっていく流れだ。さらに「なんで?」では、歌詞の文字列がステージのスクリーンに投影されていき、まるで文字が宙を舞っているかのような光景に。ARライブの醍醐味を感じさせた。
MCでは、視聴しているファンがZoomでスクリーンに登場し、ステージに参加する趣向も。ファンの姿を見た奥津マリリが思わず涙ぐむなか、『ドント・ストップ・ザ・ダンス』のカップリング曲「オプティミスティック・ラブ」はスタートした。そして、「ダンス・ファウンダー」のイントロが流れるなか、日向ハルは「みんなの顔が見れて嬉しかった。でも、私たちはいつでもみんなのことを考えて歌っているから、最高の一日にしましょう」と呼びかけた。
中盤で「フリー・ユア・フェスタ」や「アルゴリズムの海」、さらに日向ハルのソロ曲「いつか大人になって」が歌われたのもワンマンライブならではだ。「いつか大人になって」では、キーボードの福田裕彦、パーカッションの早藤寿美子が参加。日向ハルはドレスアップし、多数の草花やワイン、グラスやロウソクが飾られたバーカウンターで歌唱し、一気にラグジュアリーな雰囲気に。まるで、さきほどまでとは別のライブを見ているかのようだった。
続く「シスター」では、奥津マリリ、佐藤まりあ、十束おとはもドレスアップ。さらに千ヶ崎学のウッドベースも加わった。アコースティック編成の生演奏をバックに、フィロソフィーのダンスが極上のハーモニーを聴かせた。その4人の歌声こそが、もっともラグジュアリーだった。同じ編成での「シャル・ウィ・スタート」も、フィロソフィーのダンスの生のボーカルの美しさを堪能させるものだった。